データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 外務省

[場所] 釜山(韓国)
[年月日] 2005年11月16日
[出典] 第17回APEC閣僚会議共同声明
[備考] 外務省仮訳
[全文]

 オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、中華人民共和国、中国香港、インドネシア、日本、大韓民国、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、パプアニューギニア、ペルー、フィリピン、ロシア、シンガポール、チャイニーズ・タイペイ、タイ、アメリカ合衆国、ベトナムの閣僚は、世界貿易の46%、世界のGDPの57%、世界人口の45%を共同して占める地域を代表して、2005年11月15日及び16日に韓国の釜山で開催された第17回アジア太平洋経済協力(APEC)閣僚会議に出席した。APEC事務局も同会議に出席した。東南アジア諸国連合(ASEAN)事務局、太平洋経済協力会議(PECC)及び太平洋島嶼国フォーラム(PIF)は、公式オブザーバーとして出席した。韓国の潘基文外務貿易大臣及び金鉉宗通商交渉本部長が会議の議長を務めた。

 閣僚は、「ひとつの共同体に向かって〜挑戦に立ち向かい、変化を起こす」という2005年APECのテーマを中心に議論した。閣僚は、2010年または2020年までにAPEC地域における貿易及び投資の自由化・円滑化を達成するとのコミットメントを再確認し、この観点から推進を続けることを決意した。

 閣僚は、韓国が主催した2005年のAPECにおける主要な成果をレビューし、ベトナムが主催する2006年のAPECにおいて行われるイニシアティブに合意した。

 閣僚は以下について合意した。

多角的貿易体制の強化{前10文字下線有り}

1.WTOドーハ開発アジェンダ交渉(DDA)へのAPECの貢献

 閣僚は、DDA交渉を2006年末までに野心的で全体のバランスが取れた形で成功裏に終結させることに対しAPECメンバーが認める大きな重要性を再確認した。

 閣僚は、この目標を達成する上で、中国香港で開催される第6回WTO香港閣僚会合は重大な一歩となるのであり、大幅な意見の相違を解決するために閣僚会合で実質的な進展がなされなくてはならず、2006年のラウンド終結に向けた明確なロードマップが策定されなくてはならないことに合意した。

 この観点から、閣僚は、首脳に対し、中国香港における交渉を成功させるための堅固な土台を作る上で必要な強い政治的リーダーシップとコミットメントを示した、DDA交渉に関する独立した声明を採択することを勧告し、他の全てのWTO加盟国に対し、香港閣僚会合までの間及びその後に交渉を前進させる上で必要な柔軟性を示すことを強く求めた。

2.WTOのキャパシティ・ビルディング

 閣僚は、開発途上メンバーがWTOに加盟し、WTO交渉に十分に参加し、WTO加盟の恩恵を十分に享受し、社会的・経済的発展の手段である貿易の有する可能性を最大限に活用するための方法として、貿易関連のキャパシティ・ビルディングの重要性を再確認した。

 閣僚は、5月に韓国の済州で開催された、第1回目の政策指向的な「貿易円滑化キャパシティ・ビルディングにおけるベスト・プラクティスに関するWTOワークショップ」を歓迎し、実務者に対し、ワークショップの勧告に基づきこの分野での取組を継続することを求めた。閣僚は、2月にジュネーブで開催され、貿易円滑化に関するAPECの専門知識をWTO加盟国と共有する無比の機会を提供した「APEC・WTO貿易円滑化ラウンドテーブル」の成果を歓迎した。閣僚はまた、IT・電気電子製品の今後の貿易拡大に向けたキャパシティ・ビルディング及び意識向上のための効果的な措置として、9月に慶州で開催された「IT・電気電子産業に関するセミナー」を歓迎した。

 閣僚は、実務者に対し、WTO DDA交渉に含まれる全範囲の分野においてキャパシティ・ビルディングの実施を継続し、APECメンバー及び国際機関の専門知識を利用しつつAPECの過去のキャパシティ・ビルディング活動の評価を継続し、来年の貿易担当大臣会合(MRT)において進捗状況を報告することを指示した。閣僚は、多様な利害関係者との協議及び政府内での協議が、APECメンバーが自らの利益を特定し、貿易交渉前及び交渉中に合意を形成するための重要な手段であることを認識し、このような協議の問題にAPECが一層の関心を示すことを要請した。

3.APECメンバーのWTO加盟

 閣僚は、ロシア及びベトナムのWTO加盟交渉における進展を歓迎し、これら2カ国によるWTO早期加盟に向けた交渉の迅速な妥結を期待した。

4.APECジュネーブ・コーカス

 閣僚は、特にIT製品の関税撤廃及び貿易円滑化の分野において、DDA交渉の進展に向けてAPECジュネーブ・コーカスが行った取組を賞賛し、ジュネーブ・コーカスに対し、APECの経験をWTO加盟国と共有し、第6回WTO閣僚会合の成功に貢献し、DDA交渉の野心的でバランスの取れた終結を促進するために取組を続けることを指示した。閣僚は、DDA交渉にビジネス界の考えを提供することを目的とした、6月のAPECビジネス諮問会議(ABAC)のジュネーブ訪問を大いに歓迎した。

ボゴール目標に向けた中間実績調査{前16文字下線有り}

 閣僚は、「ボゴール目標に向けた進展の中間実績調査‐ボゴール目標に向けた釜山ロードマップ」と題した報告書を承認した。閣僚は、この報告書を、ボゴール目標に向けたAPECの順調な進展を示し、ボゴール目標の達成と事業活動促進におけるビジネス界の期待を満たすためのロードマップを策定したことを賞賛した。閣僚は、首脳による同報告書の承認を勧告することに合意した。

 閣僚は、APECメンバーが1994年以降、貿易及び投資の大幅な自由化と円滑化を達成したと認識した。閣僚はまた、この政策の選択によって実質的な恩恵がもたらされ、地域における持続的な経済成長と大幅な福祉の向上に貢献したことに留意した。

 閣僚は、ボゴール宣言に明記されるように、先進経済については2010年までに、開発途上経済については2020年までに、アジア太平洋地域において自由で開かれた貿易及び投資を実現するというボゴール目標の達成に完全にコミットし続けてきた。閣僚は、APECの中核的な組織原則であるボゴール目標が、地域の持続的成長と繁栄の促進を目的としていることを強調した。

 閣僚は、貿易環境の絶え間ない変化を認識し、APECが然るべくその焦点を調整し、ボゴール目標実現に向けて具体的かつビジネスに有意義な成果を将来も生み続ける必要性を表明した。閣僚は、新たな国際貿易環境に合わせてAPECのアジェンダを再活性化させるべき一方で、APECは確実にボゴール目標を達成しなくてはならないことに合意した。

 ボゴール目標に向けた進展を加速させるため、閣僚は、「ボゴール目標に向けた釜山ロードマップ」を特に強調した。これは、多角的貿易体制の支持や、共同及び個別行動の強化、質の高い地域貿易協定(RTAs)/自由貿易協定(FTAs)の促進、釜山ビジネスアジェンダ、キャパシティ・ビルディングやパスファインダー・アプローチへの戦略的アプローチなどの主要な優先課題及び枠組みの概略を述べ、APECが新たなビジネス環境に対して一層適切に対応することを確保し、知的財産権(IPR)、貿易の円滑化、腐敗の防止、投資、及び安全な貿易に関する取組を通じて、地域における自由で開かれた貿易及び投資の推進を継続させるものである。

 閣僚は、多角的貿易体制への深いコミットメントとWTOに対する支持を再確認した。閣僚は、APECメンバーがWTO・DDA交渉の成功に向けて貢献を続けること、及びAPECジュネーブ・コーカスがDDAのあらゆる分野で交渉を進展させるため、共同の努力を倍化すべきことに合意した。閣僚は、DDA交渉の結果が判明した後、APECメンバーは、ボゴール目標達成に資する上でさらにどのような自由化措置が必要かを検討する必要があることに合意した。

 閣僚は、個別行動計画(IAPs)及び共同行動計画(CAPs)がボゴール目標を達成するための主要な手段であることに合意した。閣僚は、個別行動計画(IAP)ピア・レビュー・プロセスを強化し、これらの透明性とビジネス界からのアクセス可能性を向上させることに合意した。その結果、閣僚は、強化されたレビューの枠組の下で、2007〜2009年に次回IAPピア・レビューを実施することに合意した。

 閣僚は、質の高いRTAs/FTAsは、ボゴール目標に向けたAPEC全体の進展に対するこれらの協定による貢献を最大にすることに合意した。閣僚は、APEC経済の多様性を考慮しつつ、貿易円滑化に向けたモデル措置の開発への取組を基礎として、一般に受け入れられているRTA/FTAの章の中で可能な限り多くの章につき、包括的なモデル措置を2008年までに策定することに合意した。閣僚は、これは地域におけるRTAs/FTAsの一貫性と整合性を維持するための貴重な貢献であることに合意した。

 閣僚は、APECが、経済発展や国境内での行政負担及び貿易・投資の障害に対処する国内政策目標におけるメンバーの多様性を考慮しつつ、戦略に沿った包括的ビジネス円滑化プログラムを策定しなくてはならないことに合意した。

 閣僚はまた、ボゴール目標の達成のみならず、それらの潜在的利益をアジア太平洋の共同体にできるだけ広く分配することを確保する上で、APECが経済・技術協力(ECOTECH)を継続的に重視する必要性を強調した。

 閣僚は、APECの中核的な原則である自主性、包括性、及びコンセンサスに基づく意思決定を維持しつつ、APECの文脈で行われた個別・共同双方の決定及びコミットメントの実施を奨励した。

貿易・投資の自由化及び円滑化(TILF){前20文字下線有り}

 閣僚は、改訂・改善されたCAPsを含む「APECの貿易と投資の自由化及び円滑化の活動に関する閣僚への貿易投資委員会2005年年次報告」を承認し、CAPsの実施において貿易投資委員会(CTI)が達成した進展を賞賛した。閣僚は、特に以下の分野での成果を歓迎した。

1.貿易・投資の自由化及び円滑化の推進

個別及び共同の行動計画:

 閣僚は、ボゴール目標達成の行動原則の手段の一つとして「個別行動計画(IAPs)」に置く重要性を再確認した。閣僚は、2005年IAPsを承認し、各メンバーが貿易の自由化及び円滑化のため実施した措置を歓迎した。閣僚はまた、新たにIAPsに盛り込まれた課題であるRTAs/FTAs及び一般的及び個別分野別の透明性の実施に関する報告を歓迎した。これらの課題は全て、メンバーが実施する活動の透明性向上に貢献するであろう。

 閣僚は、2001年に首脳が指示した通り、全21メンバーのIAPピア・レビューが成功裡に完了したことを歓迎した。これにより、全メンバーがボゴール目標達成に向け順調に進展していることが確認された。閣僚はまた、各APECメンバーが特定のAPECコミットメントや優先事項の実施のために個別にあるいは共同で何を行っているかに更に大きく焦点をあてることを含め、強化された方式でIAPピア・レビュー・プロセスを今後3年間継続することを歓迎した。閣僚は、改訂された「IAPピア・レビュー・ガイドライン」及び次回のレビュー実施スケジュールを承認し、これがビジネス界の意見を述べる機会を拡大するものであることに留意した。

 閣僚は、CAPsにおける進展を歓迎し、実務者に対し、2010年または2020年までにアジア太平洋地域で自由で開かれた貿易・投資を実現するというAPECの確約に実質的に貢献するため、CAPsの見直しと更新の継続を指示した。

 閣僚は、メンバーが自国の規制改革努力の評価に任意の手段として利用できる「規制改革に関するAPEC-OECD統合チェックリスト(チェックリスト)」を承認した。閣僚は、チェックリストの普及とメンバーによるこの手段の活用を支援するため、OECDと協力する方法の探求を続けることを実務者に指示した。

 閣僚は、経済法制度整備(SELI)の報告メカニズムの改善における進展と、2006年の新たなSELI IAPテンプレート策定のための作業計画に留意した。

投資:

 閣僚は、APEC地域へ、及びAPEC地域からの、投資フローの重要性に留意し、ボゴール目標達成に向けた投資の自由化及び円滑化の重要性を再確認した。11月に釜山で開催された「2005年APEC投資機会会議」は、メンバーが個々の投資枠組みに関する情報交換を行うフォーラムを提供し、APECメンバーの多様な投資環境の有益な概要を提示するであろう。閣僚は、ベトナムによる「多国籍企業(TNCs)からの投資誘致の経験に関するAPECセミナー」を主催する提案を歓迎した。

 閣僚は、より自由な投資体制をAPEC地域に達成するため1994年に妥結された、APEC投資に関する非拘束原則(NBIP)の重要な貢献に留意した。閣僚は、ABACとの相互作用強化の努力を歓迎し、域内ビジネスのための投資環境改善の必要性を再確認し、実務者に対し、投資の自由化及び円滑化を達成するため、一層取り組みを強化することを指示した。

 閣僚は、9月に東京で開催され、最近のRTAs/FTAs及び二国間投資協定(BITs)における投資要素の発展に焦点を当てたAPECセミナーの成果を歓迎した。閣僚は、APECメンバーが投資自由化の影響を特定する上での支援や、投資に関する様々な協定間の相互作用や関係についての更なる研究を含め、投資分野における取組を強化する必要性を強調した。

 閣僚は、投資の政策的枠組に関するAPEC-OECDセミナーが11月に開催され、APECとOECDが開発投資における協力を強化できる多くの分野を明らかにしたことに留意した。

税関手続:

 閣僚は、貿易の円滑化及び安全に対するニーズの高まりを反映させるため、税関手続の簡素化と調和を通じて行われた取組を賞賛し、この関連で新たなCAPの課題、即ち通関関連手続における障害を見つけ、これを改善することで貿易を円滑化する有効な手段となる「通関手続所要時間調査」を歓迎した。

 閣僚は、アジア太平洋のビジネス関係者によるAPECメンバーの税関法及び規則に関する情報へのより良いアクセスを可能にする「APEC税関と貿易円滑化ハンドブック」の公表を歓迎した。ハンドブックは、ビジネス関係者が手続や規則についての知識の欠如のために生じるコストを回避する上で貴重な資料を提供する。

ビジネス関係者の移動:

 閣僚は、貿易の円滑化におけるビジネス関係者の移動の重要性につき留意した。閣僚は、ベトナムが第17番目のメンバーとしてAPECビジネス・トラベル・カード制度に参加したことを歓迎し、旅行をより安全なものとしつつビジネス関係者の移動を円滑化するためにAPEC内で行われた努力を賞賛した。

基準認証:

 閣僚は、国内基準の国際基準への整合が地域における貿易円滑化に貢献することを認識し、合意された優先分野における整合作業が非常に高いレベルで達成されたことを示す包括的レビューの結果を歓迎した。閣僚は、実務者に対し、新たに国際電気標準会議(IEC)の電気用品基準との自主的な整合作業に着手し、特にIEC電気機器安全規格適合試験制度(IECEE)による認証機関(CB)制度の対象となる用品については、2010年までに完了させることを指示した。

 閣僚は、また、APECにおける基準認証分野において行われた活動をまとめた「CTI基準・認証に関する小委員会(SCSC)」の青写真が初めて出版されたことを歓迎し、これが基準認証関連業務についてのビジネス界の知識を向上させるであろうことに留意した。

民間部門の発展:

 閣僚は、貿易円滑化、透明性、商規則及び行政手続などの問題は、民間部門の発展、特にSMEにとって著しい影響があることを認識した。閣僚は、地域のビジネス環境改善のための「民間部門開発アジェンダ」の策定と、市場における競争力強化において中小企業の発展を引き続き支援するイニシアティブを歓迎した。閣僚は、このような努力が、貿易円滑化・透明性・規制改革などAPECの取組む既存分野を進展させ、ベスト・プラクティスの共有を促進し、第12回APEC中小企業大臣会合の成果を支持し、キャパシティ・ビルディングに焦点を当てることに留意した。

2.貿易円滑化行動計画(TFAP)

 閣僚は、2001年貿易円滑化行動計画(TFAP)の下で設定された、2006年までの貿易円滑化コスト5%削減という目標値達成に向けた、メンバーによる進捗を歓迎した。閣僚は、2010年までの更なる5%の削減に合意した。

●閣僚は、APEC TFAPの実施におけるメンバーによる進展を賞賛し、物品の移動、基準認証、ビジネス関係者の移動、及び電子商取引の分野でとられた行動と措置に関するメンバーからの報告を歓迎した。

●閣僚は、2006年の最終レビューに向けて現在実施中の準備作業を歓迎し、APECが2006年までに地域全体にわたり取引費用を5%削減するという前述の目標を確実に達成できる作業プログラムを提案する「2006年に向けたTFAPロードマップ」を承認した。閣僚はまた、実務者に対し、2006年以降のTFAPに向けた作業計画の作成を指示した。

●閣僚は、ビジネス界に明確な利益をもたらすことを目的として、税関手続の改善、国内基準と国際基準の整合性の向上、ビジネス関係者の移動の促進、及びペーパーレス貿易環境の醸成といった特定された優先分野において、さらに具体的な活動の実施を実務者に指示し、全てのメンバーがTFAPを完全に実施できるべく、前述の4分野におけるキャパシティ・ビルディングを推進する必要性を強調した。

 閣僚は、9月に中国で開催された「ペーパーレス貿易の評価と基準に関するAPECシンポジウム」の実り多い成果を歓迎した。閣僚は、相互協力の強化と、APECのペーパーレス貿易目標の達成推進のため、全メンバーに対し、この分野における協力の強化を求めた。

 閣僚は、2006年の目標プロセスに向けたオーストラリアとベトナムのイニシアティブを歓迎し、さらにTFAP及び「APEC貿易拡大に向けたサンチャゴ・イニシアティブ」で得られた成果を増強し、効果的な戦略と方式の開発のためAPEC財務大臣プロセスとABACを引き込む、包括的なビジネス円滑化プログラムの作成を支持した。

 閣僚は、ビジネス・アウトリーチ・パンフレットの刊行を含む、貿易円滑化分野でのAPECの業績と今後の計画を紹介するためのCTI及びAPEC事務局によるアウトリーチ活動を歓迎した。

3.RTAs/FTAs

 閣僚は、APECによるRTAs/FTAsへの取組に対する重要性を強調した。APECメンバーは、質が高く包括的なRTAs/FTAsをボゴール目標達成への主要な手段のひとつと考える。閣僚は、この地域でのRTAs/FTAsの広がりがボゴール目標と整合していることを確保する上で最良の機会があることに留意した。閣僚は、実務者に対し、引き続きRTAs/FTAsに向けた政策策定への取組を行うよう指示した。

 閣僚は、APECメンバーのRTAs/FTAsに関する情報と経験の交換とともに、IAPの透明性の向上と対象を絞ったキャパシティ・ビルディングの強化に向けた具体的措置をとることにより、APECがこの分野で建設的役割を果たすべきであることに合意した。これに関連し、閣僚は、「環太平洋戦略的経済連携」の締約国が最近締結した協定につき他のAPECメンバーに対して概要を説明する努力を歓迎した。

 閣僚は、昨年合意された「RTAs/FTAsベスト・プラクティス」文書は、RTAs/FTAsについての共通理解の促進に役立ち、協定間のさらなる一貫性と収斂の促進に資することに合意した。閣僚はまた、RTAs/FTAs交渉における有意義な参考として、「ベスト・プラクティス」文書を自主的に利用する努力を続けることに合意した。

 閣僚は、5月に済州で成功裡に開催された「第3回RTAs/FTAsに関する貿易政策対話」に留意し、RTAs/FTAsの各章のモデル措置を開発する作業プログラムがこの政策対話で開始されたことを歓迎した。この関連で、閣僚は、「RTAs/FTAsにおける貿易円滑化のためのモデル措置」を歓迎し、APECメンバーによる実施が奨励されているこれらの非拘束的モデル措置が、質の高い自由貿易協定を達成し、アジア太平洋地域での自由化と貿易拡大に対して真の貢献を行う上での参照として役立つ、という確信を表明した。

 閣僚は、特に開発途上メンバーをはじめとするAPECメンバーがRTAs/FTAs及び国内産業の懸念に取り組む上での交渉技能の向上のため、キャパシティ・ビルディングの支援を支持した。閣僚は、ソウルで開催された「特恵原産地規則に関するワークショップ」を含めた、この分野でのイニシアティブの拡大を歓迎し、今後マレーシアで開催される投資及び市場アクセス問題に関するワークショップ、インドネシアにおける自由貿易協定交渉に関する上級ワークショップ、及び2006年にベトナムで開催予定の「RTAs/FTAsにおける貿易政策のベスト・プラクティスに関するAPECワークショップ‐開発途上メンバーのための実際的教訓と経験」に期待した。

4.知的財産保護及び執行の強化

 閣僚は、知的財産権(IPR)の保護と執行が知識基盤型経済を確立する上で不可欠であり、経済発展を推進し、投資を促進し、技術革新を刺激し、創造的産業を発展させ、経済成長を推進する上でも重要な要素であることを認識した。

 閣僚は、2005年6月のAPEC貿易担当大臣会合で採択された「APEC模倣品・海賊版対策イニシアティブ」を完全に支持した。閣僚は、「APEC模倣品・海賊版対策イニシアティブ」で求められていた、APEC模倣品・海賊版取引の削減、不正コピー防止、及びインターネット上の模倣品販売防止に関する模範ガイドラインを承認した。閣僚は、この模範ガイドライン及びテンプレートが、インターネット上の海賊行為及び模倣品・海賊版の取引という新たに生じた課題への時機を得た政策対応であり、メンバーがIPR保護及び執行制度を強化し、この問題の重要性について一般の意識を向上させる上で有用な手段であることに合意した。地域におけるIPR制度の重要性を踏まえ、閣僚は、メンバーに対し、模倣品・海賊版の取引を削減し、インターネット上の海賊行為を縮小し、この分野での協力とキャパシティ・ビルディングを増大させるため、可能であれば民間部門と協議しつつ、「APEC模倣品・海賊版対策イニシアティブ」を進展させる更なる措置を来年とることを指示した。

 閣僚は、メンバーに対し、2006年のSOM [[undef12]]までに、IPRウェブサイト、IPR執行官、及び「APEC光ディスクの生産関連規制のための効果的な慣行」の適用のために執った措置に関する情報交換を完了させ、本件作業をさらに進めるための措置を講じることを要請した。

 閣僚は、11のIPRサービスセンターの設立を含むIPR CAPsの推進におけるメンバーの進展を歓迎し、メンバーに対し更なる進展を奨励した。

 閣僚は、9月に廈門で開催され、メンバー間におけるIPR保護に関する協力強化と政府及び民間との間での対話の増加に重要な一歩を記した「IPRに関するAPECハイレベル・シンポジウム」の成功に留意した。

5.パスファインダー・イニシアティブ

 閣僚は、パスファインダー・イニシアティブが貿易・投資の自由化及び円滑化を進める上での貴重な手段であると認識し、これらのイニシアティブの進展を確実にし、モメンタムを維持する重要性を強調した。閣僚は、実務者に対し、現在のイニシアティブの実施につき更なる議論を持つこと、及び昨年採択されたパスファインダー・イニシアティブに関するガイドラインに合致してパスファインダー・アプローチの候補となり得るようなAPECでの追加的分野の特定に向け努力を続けることを奨励し、その実施につき更なる議論の推進を奨励した。

貿易及びデジタル・エコノミー:

 閣僚は、「貿易及びデジタル・エコノミーに関するパスファインダー」の実施における進展、特にメンバーの「海賊版光ディスク防止のためのベスト・プラクティス」に関する調査の完了、及び可能な技術選択の原則に関する議論を歓迎した。閣僚は、革新的な製品・サービスに対するユーザー及び提供者の選択の最大化を目指した課題と政策を議論すべく2月に開催された、技術選択に関するワークショップの成功を歓迎した。閣僚は、2005年2月に開催された技術選択に関する政策対話の結果に留意した。この政策対話では、革新の促進と知識基盤型経済の発展の関係と技術中立的な政策及び規則、オープンで国際的・自主的な基準、そして無差別的・透明・技術中立的で利益を基にした政府調達政策に焦点をあてた。閣僚は、一連の技術選択原則を策定し「貿易及びデジタル・エコノミーに関するAPEC政策実施のためのパスファインダー首脳声明」に含めるべく、これら技術選択の概念に関する議論を2006年も継続することに合意した。

APEC分野別食品相互承認取決め(MRA)に関するパスファインダー・イニシアティブ:

 閣僚は、6月にタイで開催された「第1回APEC分野別食品MRAパスファインダー・イニシアティブ会合」の実りある成果を歓迎し、2006年6月に「分野別食品MRAの策定に関するセミナー」を開催するというタイの提案を承認した。このパスファインダー・イニシアティブを進展させ、地域及びAPECの全般的目標にとって重要な食品貿易を円滑化するものとして、本件事業へのメンバーの積極的参加が奨励される。

6.食品に関する協力

 閣僚は、APEC域内の食品の安全協力の強化に向けたメンバーの取組における進展を歓迎し、慶州で開催され、中国、オーストラリア、タイ及びベトナムが共催した「食品安全協力セミナー」の成果に留意した。閣僚は、食品の安全向上を目的として現在行われている関連国際機関及び地域機関による活動状況調査の達成に向けた取り組みに勇気づけられ、CTI SCSEの下での食品安全協力に関するアド・ホック運営グループの設置を歓迎した。本件作業の完了のため、アド・ホック・グループは農業技術協力作業部会(ATCWG)からの情報提供及びATCWGとの緊密な協働作業が期待される。

APEC食品制度(ASF):

 閣僚はまた、APEC食品制度の実施に向け、全てのAPECメンバー及びATCWGなどのAPECフォーラムにより実施された共同かつ分野横断的な活動を歓迎した。閣僚は、地方のインフラ構築、食品貿易の促進、食品製造・加工における技術的進歩の普及のための更なる取組を含め、APEC地域における農業の発展のための更なる取組を奨励した。

腐敗防止と透明性の基準{前11文字下線有り}

 閣僚は、APECの目標である経済的繁栄は、国内経済及び国際商取引の双方における腐敗が効果的に対処され、腐敗を犯した者が安住の地を拒否されることなくしては達成できないことを認識した。

 閣僚は、腐敗が、経済的業績を阻害し、民主的組織と法の支配を弱体化し、社会秩序を混乱し、人々の信頼を破壊し、組織的犯罪やテロ及びその他の人間の安全保障を脅かす脅威が蔓延する環境を提供することに合意した。自由貿易、経済発展の向上、及び更なる繁栄に向けたAPECの道程にとって最も大きな障壁のひとつであるので、閣僚は、APEC内及びその他のフォーラムにおいて、この重要な課題を効果的に対処する方法を引き続き模索することを再確認した。

 閣僚は「APEC腐敗防止と透明性に関するシンポジウム(ACT Symposium)」の成果を歓迎し、腐敗と闘い透明性を高めるために、更なる行動をとることを求めた。閣僚は、韓国によるACTシンポジウムの開催を賞賛し、「APEC腐敗防止・透明性タスクフォース」による重要な作業の開始を称えた。閣僚は、キャパシティ・ビルディング・プログラムの重要性を強調し、メンバーが、腐敗防止及び透明性におけるAPECの取組を支援するキャパシティ・ビルディング・プロジェクトを策定し、提出することを奨励した。

 閣僚は、全てのAPECメンバーが、適切な場合において、「腐敗の防止に関する国際連合条約(UNCAC)」の効果的な批准と履行に向け、全ての適切な措置を講じることを奨励した*1*。閣僚は、関連するAPECメンバーに、UNCACを主要な優先事項とすることを奨励した。閣僚は、全てのAPECメンバーが、APECの腐敗防止という確約に関し、その実施の加速と進捗状況の追跡のための更に具体的なロードマップを含む簡単な進捗報告を、ACTタスクフォースに毎年提出することを求めた。閣僚はまた、ACTタスクフォースが、APEC貿易投資委員会とその他すべての関係するAPEC下部組織との一層緊密な調整を引き続き行うことを促した。

 閣僚は、本年のAPEC CEOサミットにおいて、CEO達によって行われる腐敗防止への誓約を歓迎し、APEC ACTタスクフォースとABACとが協力を続けることを奨励した。閣僚は、企業統治の改善及びこの重要な官民連携の強化のために、ACTタスクフォースと共同的に取り組みたいという民間部門からの要請を歓迎した。閣僚は、腐敗を犯した公務員や個人に対する安住の地を拒否するために地域協力の強化を誓約し、適切な場合において、法律上の相互援助、犯罪人引き渡し、財産の回収及び腐敗による利益の没収の分野における更なる協力を奨励した。従って、閣僚は、メンバー間の一層の協力と情報交換及び専門知識や経験の共有を支持し、安住の地の拒否、UNCACの実施、腐敗防止のベスト・プラクティス、腐敗防止とSMEs、及びACT行動指針(COA)で勧告されているその他関連分野のものを含めたキャパシティ・ビルディングを支持した。

 閣僚は、アジア太平洋内及びそれを越えた、より安全で繁栄した地域というAPECメンバーの大志に欠かすことのできない、良い統治、高潔、透明性の向上のため、引き続きAPECが共同の努力を行っていくことに合意した。

 閣僚は、「APEC透明性基準」及び具体的分野別の「透明性基準」を達成することの重要性を再確認した。閣僚は、ロスカボス及びバンコクにおける首脳会合の「透明性基準の実施に関する首脳声明」で表明された通り、透明性基準の実施に関するIAP報告書の初めての包括的な提出を歓迎した。

人間の安全保障{前7文字下線有り}

 閣僚は、テロ攻撃及び自然災害に襲われた域内の遺族の心痛を共有し、深い哀悼の意を表した。閣僚は、人間の安全保障、貿易と投資の自由化・円滑化という目標を達成する必要性を強調し、テロ対策、不拡散、感染症対策、非常事態への備え及びエネルギー安全保障の分野において行われている諸活動を強調した。

1.テロ対策及び安全な貿易

 閣僚は、テロがAPEC地域の安全、安定及び成長に対する深刻な脅威であることを再確認した。閣僚は、国際テロ集団の解体、大量破壊兵器及びその運搬手段と関連物質の拡散によって引き起こされる危険の排除、並びに我々の地域の将来の安全保障に対するその他の直接的な脅威との闘いへのAPECのコミットメントにおける進展を引き続きレビューした。閣僚は、APECメンバーに対し、これらの分野において引き続き新たなイニシアティブを策定し、またAPECの相対的な強みに基づき、テロによる危険の排除と貿易の安全確保のために、既存のコミットメントを単独で、あるいは二国間、多国間、及びAPECにおいて実施することを奨励した。

 閣僚は、APECのフォーラム内及びその他の国際的なテロ対策行動グループにより、改善されたテロ対策調整措置が採択されたことを賞賛した。閣僚は、「APECテロ対策行動計画(CTAP)」が、地域安全保障の枠組みにおける能力とギャップを特定する上で、人間の安全保障に利益をもたらすことを強調した。閣僚は、「APEC-CTAPクロス分析」の結果を関連援助供与機関と共有することを期待した。閣僚は、APEC地域における貿易の安全確保に向けた決意を再確認した。閣僚は、2月に仁川で開催された「第3回APEC地域における安全な貿易に関する会合(STAR [[undef12]])」の成果を歓迎し、ベトナムで開催される「第4回STAR会合(STAR [[undef12]])」に期待した。閣僚は、テロとの闘いにおける協力強化のために官民の連携を促進する必要性を強調し、民間部門との密接な協力及び貿易の安全のために執った措置に関する情報の公開を通じて、ビジネス界の信頼を確立する重要性を強調した。この関連で、閣僚は、2006年に総合的サプライ・チェーン・セキュリティに関するシンポジウムを主催するというシンガポールのイニシアティブを歓迎した。

 閣僚は、安全な貿易を更に促進し、放射性物質関連の事故による健康への危害や経済的混乱の脅威を削減する必要性を認識し、2006年末までに国際原子力機関(IAEA)の「放射線源の安全とセキュリティに関する行動規範」及び「放射線源の輸出入に関するガイダンス」の実施を目指すというAPEC関係メンバーによる合意を賞賛した。閣僚は、携帯式地対空ミサイル(MANPADS)による民間航空への脅威を緩和するための努力を強調し、2006年末までに国際空港において「MANPADS脆弱性評価」を実施するとのAPEC全メンバーによる合意を歓迎した。APECにおけるMANPADS攻撃の脅威の緩和と民間航空の安全の強化は、ビジネス及び観光を目的とした人とサービスの流れの持続を確保するであろう。

 閣僚は、国境管理基準の改善や出入国管理業務の強化の進展を含め、移動に際する人々の安全を確保するために「ビジネス関係者の移動に関するCTI非公式専門家グループ」が遂げた大きな進歩を賞賛した。

 閣僚は、地域におけるテロとの闘いにおいて重要な一歩となる、オーストラリア及び米国による「地域的出入国警戒リスト(RMAL)」の試験的開始に関する報告に謝意を表した。閣僚は、RMALの試験的実施が、近い将来ニュージーランドに拡大されることを歓迎した。閣僚は、RMALへの参加希望国の間での「多国間法的枠組み」の策定、及び紛失・盗難旅券データへのアクセスに関する法的問題の調査において支援となる進展があったことに留意し、本件を2006年に進展させるよう実務者に指示した。閣僚は、全APECメンバーが2008年末までに、可能であればバイオメトリクス情報付きの機械読取式渡航文書を発行できるべく、さらなる協力を要請した。閣僚は、「出入国連絡官(ILO)」のための国際的行動規準及び「地域的出入国連絡官の協力」のベスト・プラクティスに対する認識を高めたことにつき、韓国に謝意を表した。

 閣僚は、国際刑事警察機構(ICPO)の既存のデータベースに対する紛失・盗難旅券に関する情報の提供を2006年末までに自主的に開始するべく最大限の努力を行うとの合意を確認した。

 閣僚は、実務者に対し、地域の安全強化のため機械読取式渡航文書及びバイオメトリクス技術でのキャパシティ・ビルディングに関するAPECのイニシアティブの推進を指示し、開発途上メンバーがこの目標を達成するためのキャパシティ・ビルディング・イニシアティブの策定を奨励した。

 閣僚は、APECがキャパシティ・ビルディングを継続する必要があるという共通の理解を再確認し、適切なキャパシティ・ビルディング活動とベスト・プラクティスが特定され、安全措置の実施のために開発途上メンバーに提供されるべきであると強調した。閣僚は、安全の強化を支援する本年のAPECによる追加的な作業を賞賛し、特に、本年APECメンバーが実施した以下のキャパシティ・ビルディング及び実施活動を歓迎した。

●協力的なキャパシティ・ビルディングへの努力を通じた、及び既に完成した作業の質を高めるためにベトナム、インドネシア、フィリピン、マレーシア、タイ、ペルー、パプアニューギニアへのフォローアップの訪問を奨励することを通じた、国際海事機構の「船舶港湾施設国際保安(ISPS)コード」の遵守を推進させる措置

●「効果的な輸出管理制度の鍵となる要素」に関する日本の輸出管理調査、及び輸出管理に関する自発的なキャパシティ・ビルディングを提供するために各メンバーが本年行った努力等、効果的な輸出管理制度の開発に向けたAPECでの継続的取組

●「アジア開発銀行地域的貿易及び金融セキュリティ・イニシアティブ」を通じた、インドネシア、タイ、フィリピンにおける資金洗浄対策制度強化に向けたプロジェクトの開始、並びにテロ資金との闘い及び海上・民間航空の安全強化に関する4つの追加的プロジェクトの開始予定

●APECメンバー及び関心を有する地域のパートナーに対する「空港の脆弱性と対策に関するワークショップ」の実施

●MANPADS密輸の発見及び防止の支援を目的とした、APEC全メンバーに対する米国からの「MANPADS部品ポケット・ガイド」の提供

●2005年末までの達成が期待されている100%の乗客荷物検査というSTAR目標での進展、及び

●核関連活動の透明性拡大への共同のコミットメントにより我々の地域における不法な核活動を許容しないというAPECの決意を反映した、国際原子力機関(IAEA)の追加議定書の実施、締結、または締結を目指すことにおける進展。閣僚は、シンガポールとタイによるIAEA追加議定書への最近の署名、及びIAEA理事会によるマレーシアの追加議定書締約国としての承認を歓迎し、関係APECメンバーが優先的にそのような合意を結ぶことを奨励した。未署名メンバーに対する他のAPECメンバーからのこの分野における支援を歓迎する。

 テロ対策に関するコミットメントを実施する上で、閣僚は、国境を超えたビジネス取引に関連する費用を最小化する重要性に留意した。これを念頭に、APECが貿易円滑化で進展を続けるにあたり、メンバーは、この目的達成のため、改善された技術や処理手続きの採用、及びキャパシティ・ビルディングの提供に取り組むこととなる。閣僚は、いかなるテロ対策措置も、国際法、特に国際的な人権、難民、及び人道に関する法の下での義務の遵守を確保することへのコミットメントを確認した。閣僚は、10月に東京において日本とタイが共催した「APEC人間の安全保障セミナー」の成果を歓迎した。

 閣僚は、「国際貿易の安全確保及び円滑化のための世界税関機構(WCO)基準の枠組み」に基づき、国境を越えた物品・サービス・人の安全かつ効率的な移動のための環境を構築することを目的とした「国際貿易の安全確保と円滑化に関するAPEC枠組み」に関する取組を歓迎した。閣僚は、APEC枠組みは、APEC地域内における世界的なサプライ・チェーンの安全確保及び円滑化のための国際的基準の実施につながることに留意した。

2.健康に関する安全保障

鳥及び流行性インフルエンザ:

 閣僚は、高病原性鳥インフルエンザがAPEC地域と世界に及ぼす脅威に懸念をもって留意した。この関連で、閣僚は、鳥インフルエンザやHIV/AIDSなどの感染症の脅威に関してAPECで継続中の取組を加速化させることを確約した。閣僚は、アジア太平洋地域が、特に世界保健機関(WHO)、国連食糧農業機関(FAO)及び国際獣疫事務局(OIE)などの国際的専門機関と協力し、個別、地域、及び国際的なレベルで感染症に効果的に対処するための備えと能力を確保することが不可欠であるとの点で合意した。

 閣僚は、10月から11月にブリスベンで開催された「鳥インフルエンザへの備えに関するAPEC会合」の成果に特別の満足の意をもって留意し、同会合の報告書を承認し首脳に推奨した。閣僚は更に、地域的及び国際的な監視と対応システムの強化への支援を求めた。閣僚は、地域的流行に対する早期対処を強化するAPECの努力を支援するため、「地域的新興感染症対処(REDI)センター」を利用するというシンガポールの提案を歓迎した。閣僚は、ブリスベン会合の提言及び現在進められている地域的、国際的な努力を考慮に入れつつ、APECの取組を確立するため「APEC鳥インフルエンザ関係閣僚会合」を2006年に主催するというベトナムの提案を歓迎した。

 閣僚は、インフルエンザ流行に対する備え及び対処のため、多分野における共同行動及び個別のコミットメントの強化を目的として、「流行性インフルエンザへの備えとその緩和に関するイニシアティブ」を承認した。閣僚は、APECのライフ・サイエンス・イノベーション・フォーラム(LSIF)疾病バイオマーカー・プロジェクトの範囲を拡大し、鳥インフルエンザなどの感染症を含めるという提案を歓迎し、仮に関連の集団研究を複数のメンバー間で行えば、これらの病気の監視を促進しうることに留意した。閣僚はまた、7月にサンフランシスコで開催された、分野横断的な「鳥インフルエンザの発生への対応と、人の健康に関わる緊急事態への備えに関するAPECシンポジウム」の勧告を承認したが、同シンポジウムは、鳥及びその他の流行性インフルエンザに関し、動物から人間への感染の脅威を含めた動物及び人間の健康への脅威及び経済的影響の最小化を追求した。

 閣僚は、流行性インフルエンザへの備えを強化するための「保健タスクフォース(HTF)」の努力、及びメンバーが開始した「緊急事態への備えタスクフォース(TFEP)」プロジェクトを歓迎した。閣僚は、全てのAPECフォーラムに対し、この目標達成のためにTFEP及びHTFと引き続き協力して作業することを指示した。

 閣僚は、適切で体系的且つ十分に調整された防止を可能とするための、時宜を得た正確な報告とキャパシティ・ビルディングに向けた努力の重要性を強調した。この関連で、閣僚は、2006年4月に中国で開催予定の「新興感染症に関するAPECシンポジウム」への積極的参加を期待した。

HIV/AIDS:

 閣僚は、昨年の首脳からの指示に従い、APEC地域で増大するHIV/エイズの脅威に取り組むHTFの努力を賞賛し、この分野における更なる取組を求めた。閣僚は、バンコクで開催された「職場におけるHIV/エイズ管理に関するAPECワークショップ」の成果、及び12月にマニラで開催される「HIV/エイズと移民・移動労働者に関するAPECワークショップ」を歓迎した。閣僚は、HIV/エイズとの闘いにおいて、APECが付加価値を与え、APECの様々な作業部会やフォーラム及び適切な場合には国連合同エイズ計画(UNAIDS)やWHOなどの関連国際機関と協力する方法を示すものとして、これら2つのイニシアティブを歓迎した。閣僚は、この地域における最大の雇用主である民間部門が、社会における生産的労働者として尊厳をもって生きる機会をHIV/エイズを抱える人に提供することで、彼らの福祉に貢献する大きな可能性を有していることに留意した。これに関連し、閣僚は、世界エイズ・結核・マラリア対策基金の活動の重要性を認識し、同基金の更なる貢献を求めた。閣僚は、2006年8月にトロントで予定されている「国際エイズ会議」を歓迎し、APECメンバーによる同会議への効果的な関与を奨励した。

 閣僚は、開発途上メンバー国内における抗レトロウィルス薬(ARV)の提供を含め、開発途上メンバーの予防・治療・介護能力を強化する必要性を強調した。

3.緊急事態への備え

 閣僚は、APEC首脳が1997年後半のバンクーバー会合において、「我々の1メンバーに影響を与える不測の災害は、全メンバーに影響を与えうること、並びに緊急事態への準備及び対応に関して専門的知見を共有し、協力することから恩恵を受けることを認識する」と表明したことを想起した。閣僚は、APEC地域が人類の歴史上まれに見る一連の壊滅的な自然災害‐昨年12月にインド洋に接する地域を襲った地震及びその地震による津波、インドネシアの地震、米国のハリケーン・カトリーナ及びリタ、メキシコのハリケーン・ウィルマ、並びに中国における一連の台風‐に襲われた時、この首脳による表明が特に正しいものであったことが判明したことに留意した。これらの自然災害は、閣僚に、APECが過去に自然災害と闘い対処する上で共同の努力を行ってきたこと、及びAPECが、1月の「国連防災会議」で採択された「兵庫行動枠組」や、その他のフォーラムにおける活動を補完するため、緊急事態への備えと災害復旧対策の強化において、その過去を基礎として引き続き付加価値的な役割を果たすべきであることを想起した。

 2004年12月の地震及びその地震による津波への対応として、また将来のあらゆる種類の災害への備えを向上させるため、閣僚は、「緊急事態と自然災害への対応と備えに関するAPEC戦略」を承認し、APEC内の取組の調整、メンバー間の格差の特定、及びあらゆる種類の災害及び緊急事態に対するAPECの備えを強化する方法の探求のための「APEC緊急事態への備えタスクフォース(TFEP)」の設置を歓迎した。閣僚は、「緊急事態への備えに関するAPECウェブサイト」の立ち上げに期待した。

 閣僚は、TFEP実績評価の結果に留意し、緊急事態への備えに関連して様々なAPECフォーラムが行った、または今後行う取組を賞賛した。閣僚は、現在までの進捗状況に関するタスクフォースの報告を認識し、その主導の下に実施された取組を賞賛した。

 閣僚は、アジア太平洋地域における災害への備え及び対応を向上させるために、新たなイニシアティブを探求し適切な施策の策定を継続することを実務者に要請し、また全てのAPECフォーラムに対し、自然災害早期警告システムから緊急事態におけるベスト・プラクティス及び自然災害による損害からの迅速な社会的・経済的回復に至るまで、将来の自然災害に対する準備体制を全APECメンバーが向上できるように協調して作業を行うことを指示した。

 閣僚は、「中小企業(SMEs)の災害と緊急事態への備えに関するAPECチェックリスト」の策定を歓迎し、災害によって生じるコストの削減における備えとAPECメンバー間の相互協力の重要性を強調した。

 閣僚は、ウラジオストクでの第26回TPT会合において開催された「津波災害からの復興と港湾安全機能に関する運輸作業部会(TPTWG)のセミナー」を歓迎した。閣僚は、自然災害への対応における情報通信技術(ICT)の重要性を認識し、警告メッセージの伝達と初期対応に必要な情報収集のための通信基盤を各国に配備する必要性を認識した。閣僚はまた、10月に韓国の主催によりハノイで開催され、壊滅的な危機による観光業への損害を削減するための計画が立案された「観光危機管理セミナー」を歓迎した。

 閣僚は、日本とインドネシアの共催により9月にジャカルタで開催された「地震・津波災害削減に関するAPEC-EqTAPセミナー」を歓迎した。同セミナーは、この地域における持続可能な開発の達成に向けた不可欠な一歩として、APECメンバーの災害管理キャパシティ・ビルディングと自然災害に対する備えの強化の双方に寄与した。

 閣僚は、6月に米国が開催した「すべての危険に関するワークショップ」の重要性を強調した。このワークショップには、救命と財産保護に欠かせない徹底的な早期警告システムを確立する要件と能力について検討するため、APEC全域からハイレベルの意思決定者と専門家が参集した。閣僚は、この努力によって、改善された警告能力を至近の将来に提供するための地域内・各メンバー内の協力及び備えが強化されたことに留意した。閣僚は、この努力を継続するため、ワークショップの成果として2006年に発行される全ての危険の予測・警告目録への期待を表した。

4.エネルギー安全保障

 閣僚は、需要の増加、低い余剰生産能力、不十分な精製能力、投機的取引、及び長期的な石油供給に対する懸念の高まりなどの要因による継続的な原油価格の高騰がAPECメンバーに負の影響を与えうることに懸念をもって留意し、適当で、信頼でき、入手可能な価格の一層クリーンなエネルギーを利用できることが、地域の経済的・社会的及び環境上の福利にとって重要であると強調した。

 閣僚は、高騰化し一層不安定化しつつある原油価格に効果的に対処するには、原油生産拡大、石油供給の安全強化、世界の石油市場の効率的運営の改善、エネルギーの多様化・効率化・省エネの促進のため、幅広い需要・供給サイドの措置が必要であることに合意した。閣僚はまた、APECメンバーは、エネルギーの生産及び消費による環境への影響を低下させる一方でエネルギーの需給を均衡させるという大きな課題に直面していることに留意し、この問題に取り組むには、効率化及び省エネの促進、国境を越える貿易の拡大、投資誘致及び技術開発の加速化が不可欠であることに合意した。

 閣僚は、これらの課題に緊急に対処する必要性を認識し、エネルギー大臣が10月に参集した際に、石油輸出国機構(OPEC)との対話や、原油価格高騰が貿易及び下流石油市場に及ぼす影響に関する最近のAPECの研究結果についての議論のような個別及び共同の対処を検討したことに留意した。閣僚は、この会合の成果を歓迎し、エネルギー作業部会(EWG)に対し、「APECエネルギー安全保障イニシアティブ(ESI)」、「ケアンズ・イニシアティブ」、及び「APECエネルギー安全保障強化行動計画」に基づく措置の実施による広範なアプローチを継続することを指示した。

 閣僚はまた、EWGに対し、他の国際エネルギー・フォーラムとの一層の緊密化、液化天然ガス(LNG)インフラに関する公教育とコミュニケーションに関するイニシアティブの実施と好成績の建物やコミュニティーへの資金供給、バイオ燃料タスクフォースの確立とAPECメンバーのエネルギー関連のデータ収集・分析能力の構築、エネルギー効率の改善を評価する基準及び指標、及び「APECガス・フォーラム」確立への支援を含め、更なる行動への着手を奨励した。閣僚は、これらの活動を行うにあたり、ビジネス界、また金融界及び学会と緊密に協力することをEWGに指示した。

 閣僚は、APECメンバー、特に発展途上メンバーにおける再生可能エネルギーの役割の重要性を強調した。閣僚は、9月に中国で開催された「再生可能エネルギーの開発に関するAPECワークショップ」を歓迎した。

 閣僚は、APECメンバーのエネルギー大臣と同様に、エネルギー技術の開発を加速化する必要性を認識し、EWGに対し、新たな再生可能エネルギー、クリーン・コールを含むクリーンな化石エネルギー、炭素捕獲と貯蔵、水素、燃料電池、メタン含水化合物に関する技術の開発と吸収を支援するための協力活動を増加させるよう指示した。閣僚はまた、APECのエネルギー・ミックスにおける原子力エネルギーの重要性の増大を認識し、関心のあるAPECメンバーに対し、国境を越える影響を含めた最善の安全、保安、地震、健康、廃棄物への対処を確保しつつ原子力を支持するため、原子力エネルギーに関するアド・ホック・グループへの参加、及びEWG27にて承認された原子力枠組みにより特定された活動の促進を奨励した。

 閣僚は、貧困撲滅、経済成長及び汚染削減に対処する形でのエネルギー源拡大の必要性、及び気候変動に関する目的への取組の必要性を強調した。この関連で、閣僚は、今月後半モントリオールで開催される「国連気候変動会議」を歓迎した。

経済・技術協力(ECOTECH){前16文字下線有り}

 閣僚は、持続可能な成長への寄与と共通の繁栄の達成におけるECOTECHの重要性、及びボゴール目標の達成を確保する上でのECOTECHの重要な役割を再確認した。閣僚は、ECOTECHアジェンダの推進及びTILFとECOTECHの相互補完性の強化において、本年達成された進歩を賞賛し、ECOTECHの更なる推進に向けた努力を要請した。閣僚は、グローバル化と自由化の恩恵は、より焦点を当て的を絞ったAPECの経済・技術協力活動、特にキャパシティ・ビルディングを通じて、すべての人に共有されるべきであることを強調した。閣僚はまた、APECが、ECOTECHの活動をさらに増大するための協力の醸成、支援の拡大及び財源の導入を目的として、二国間、地域間、及び国際的な機関及び金融機関と協力する必要性を認識した。

 閣僚は、APECのECOTECH活動促進を進める上で経済・技術協力に関する高級実務者委員会(ESC)が達成した成果を賞賛し、「経済・技術協力に関する2005年高級実務者報告書」と報告書内の提言を承認した。閣僚は、「ECOTECH運営委員会(SCE)」の設置によりECOTECH活動の調整を強化するとした実務者の決定を歓迎した。

 閣僚は、中小・零細企業(MSMEs)のキャパシティ・ビルディング及びAPECの開発途上メンバーのための貿易円滑化を促進する上での相乗作用を見出すことを目的として、9月に慶州で開催されたAPECと国際金融機関(IFIs)及び経済協力開発機構(OECD)との第2回政策対話の結果に留意した。閣僚は、国際金融機関(IFIs)及び関連国際機関との協力強化のため、同会合が提言したように今後進むべき道に留意し、将来の対話においては財務大臣プロセスと緊密に協議すべきことを認識した。閣僚はまた、APEC事務局と「世界銀行遠隔教育ネットワーク(GDLN)」との連携を歓迎した。閣僚は、IFIs及びその他の関連国際機関により支持された具体的プログラムに期待した。

 閣僚は、初期のプロジェクト提案から実施と評価段階に至るまでの質を保証する完全なプロセスは、ECOTECH活動の成功裡の実施を拡大する鍵であり、IFIs及び民間部門からの外部資源を誘致する潜在的可能性を有していることを認識した。閣僚は、「経済・技術協力に関する2005年高級実務者報告書」の中に含まれた「監視・評価の枠組み」の追加を、APECのECOTECHプロジェクトの質を大幅に向上させる重要な手段として歓迎した。

 閣僚は、「APEC支援基金(ASF)」の設立を、APECのキャパシティ・ビルディングへの資金源を補足する重要な手段として歓迎し、同基金の設立に向けたオーストラリアによる3百万豪ドルの拠出を歓迎した。閣僚は、メンバーに対し、APECの資金基盤拡大の手段として、ASFまたはTILF勘定への寄付の検討を促した。

 閣僚は、中国と米国の共催により9月に北京で開催された「侵食的外来種に関するAPECワークショップ」の成果を歓迎し、「侵食的外来種に関するAPEC戦略」を承認した。閣僚は、上海におけるアジア太平洋金融開発センター(AFDC)設立に関する進展を賞賛し、同センターの設立はこの地域における金融の安定と発展、金融システムの改革及びキャパシティ・ビルディングを促進する重要な一歩であると認識した。

 閣僚は、持続可能な開発問題につき本年行われた取組を歓迎した。閣僚は、サンティアゴで開催された「持続可能な生産・貿易・消費チェーンにおける自発的イニシアティブの役割に関するワークショップ」での提言を承認したが、これはSCEによって調整されることとなる。閣僚は、来年7月にサンティアゴで開催予定の来るべき「持続可能な開発に関するハイレベル会合」の結果に期待した。

人材養成:

 閣僚は、人材養成がAPEC地域の経済的・社会的発展のための重要な基礎であることを認識した。閣僚は、教育等の分野での政策対話や意見交換を通じてメンバーの能力を構築する上での「人材養成作業部会(HRDWG)」の重要な役割に留意した。閣僚はまた、「APEC地域における英語及びその他の言語に関する戦略的行動計画」の策定に関する取組を賞賛する一方で、包括的戦略の範囲がHRDWGのマンデートを超えていることに留意した。

 閣僚は、有用な労働市場情報と政策の開発を通じて、訓練及び雇用政策、生産性の向上、職場慣行の改善、及び強力で柔軟な労働市場の発展を促進する上で、「労働・社会保護ネットワーク(LSPN)」が果たし得る重要な役割を認識した。

 閣僚は、8月にソウルで開催された「急速な社会経済的変化の下でのソーシャル・セーフティ・ネットの強化に関するAPECシンポジウム」が成功裡に終了したことを歓迎した。閣僚は、グローバル化と自由化には、変化が円滑にもたらされ、社会的な悪影響が最小限に抑えられ、万人に対する利益が最大化されることを確保するための補完的な社会的アジェンダが必要であるとする同シンポジウムの結論に留意した。閣僚は、2006年に将来の作業プログラムを策定するという「ソーシャル・セーフティ・ネット‐キャパシティ・ビルディング・ネットワーク(SSN-CBN)」の意向を歓迎した。閣僚はまた、ベトナムとオーストラリアに対し、それぞれ2006年と2007年にSSN-CBN会合を主催するよう奨励した。

 閣僚は、教育と訓練を推進することの大きな重要性を再確認し、APEC地域における学習共同体と安定した教育開発支援制度の実現において「APEC未来教育コンソーシアム」と「APEC教育基金(AEF)」がもたらした成果を歓迎した。閣僚はまた、「APEC電子学習・訓練プログラム」を、この域内における教育政策決定者や学校管理者及び教員のデジタル機会を拡大するための体系的かつ持続可能なイニシアティブとして歓迎した。

 閣僚は、ビジネス・リーダーや経営者がグローバル化に備え、起業家開発、リスク管理、国際規則・基準、及び国境を越える環境問題などのテーマに焦点を当てる上で、「人材養成キャパシティ・ビルディング・ネットワーク(HRD-CBN)」が行った重要な取組に留意した。閣僚はまた、APECにおける「リサイクル基盤型経済に関するキャパシティ・ビルディング」プロジェクトの実施に際してのAPECとABAC間の緊密な共同作業を歓迎した。

産業科学技術:

 閣僚は、APECを、メンバーが産業科学技術分野における協力強化を通じて、共通の繁栄を推進出来る場を提供するものとして思い描いた。

 閣僚は「APEC気候センター(APCC)」の設立を歓迎し、APEC地域における異常気象や気候により引き起こされる負の影響を緩和するために地域的な気候予想と革新的技術に関して一層有効な情報交換を行うべく、制度化されたコミュニケーション・チャネルを設置する必要性を強調した。閣僚はまた、バイオテクノロジー分野におけるより効果的なネットワークを推進するための「電子国際分子生物学研究室(eIMBL)」の設立を歓迎した。

 閣僚は、2005年12月にバンコクで開催予定であり、メンバーの経済専門家に対し、情報技術、バイオテクノロジー、及びナノテクノロジーを含む新しい技術を理解する上での成功裡のアプローチ、並びにそのような技術に関する投資、能力、開発、商品化を育むにあたり国及び組織の革新システムが直面する課題について議論を行い情報を共有する機会を提供する「APECにおける新技術ワークショップ」の重要性を認識した。

 閣僚は、チャイニーズ・タイペイで開催され、APEC地域におけるバイオテクノロジー産業の成長に必要な要因を特定した「APECバイオテクノロジー会議」の成果を歓迎した。

中小企業と零細企業:

 閣僚は、ダイナミックな中小企業(SME)及び零細企業(MEs)、並びに現在のグローバル化した市場における持続的成長を創出する上で、革新が主要な原動力であると認識した。閣僚はまた、開発途上メンバー及び先進メンバーの中小企業は、その柔軟性と現状により迅速に反応する能力を考えれば、革新を推進する上で重要な役割を果たす可能性を有していると認識した。閣僚は、APECの中小企業がその革新的な潜在能力を最大限に発揮するために、適切な経済・政策環境作りにおけるAPECの協力が重要であることを強調した。

 閣僚は、「第12回APEC中小企業大臣会合」で採択された「中小企業革新行動計画に関する大邱イニシアティブ」を歓迎した。このイニシアティブは、APECメンバーが個別及び共同で中小企業革新のための経済・政策環境の見直しと改善を行うための「革新行動計画」を提供するものである。閣僚は、中小企業をAPECメンバーの支援団体と結びつけることとなる、韓国の「APEC中小企業革新センター」を歓迎した。閣僚はまた、アジア太平洋地域における中小企業の新興と持続可能な成長を発展させ、支援する上でのAPECプロセスの重要性を認識した。

 閣僚は、「APEC中小企業協調枠組み」の目標達成に向けた前進に励まされ、この関連で「中小企業作業部会(SMEWG)」が行った努力を賞賛した。閣僚は、SMEWGに対し、他のAPECフォーラムへのアウトリーチの継続と、次回中小企業大臣会合において他の中小企業関連活動について焦点を当てることの検討を奨励した。

 閣僚は、潜在的に高い輸出能力を有しながら、その製品やサービスを輸出するための正式なチャネルを持たない中小企業(SMEs)及び零細企業(MEs)の国際貿易を促進するために追加的なAPECの活動が必要であることを強調し、中小零細企業の国際市場への参入に対する既存の障害の削減と撤廃に引き続き取り組むことを約束した。閣僚は、起業家精神育成を継続する必要性、及びマイクロファイナンスを一層重視する必要性に合意した。

 閣僚は、主に中小零細企業(MSMEs)の貧困緩和面に関してグローバル化の社会的側面を取り上げるにあたり、特にキャパシティ・ビルディングの重要性を指摘した。

 閣僚は、「零細企業サブグループ」、SMEWG、及び中小企業大臣会合への「女性指導者ネットワーク(WLN)」の継続的な参加を歓迎し、WLN及び女性問題の前進に向けてAPECと共同作業を行うWLNの努力、また地域全体の経済成長と雇用創出の原動力としての女性の地位向上の重要性を再確認した。

運輸:

 閣僚は、貿易及び経済の発展における運輸部門の重要性を確認した。閣僚は、運輸サービスを確保する措置は同分野における取引を減少させるようなものとしてはならないことを確認した。

 閣僚は、航空サービス自由化の8つの段階措置、国際定期船便市場・補助艦・共同一環輸送サービスへの自由で競争的なアクセスの奨励に関する9つの海運政策オプション、運輸分野における効率化のための技術の使用、キャパシティ・ビルディング、輸送基準の調和化、及び域内の航空・海運サービスの安全強化措置を含む「運輸作業部会(TPTWG)」が現在重視している政策を確認した。

知識基盤型経済の繁栄の共有(KBE){前18文字下線有り}

 テクノロジーにより相互関連をますます強めている今日の世界経済を踏まえ、閣僚は、全てのAPECメンバーのデジタル能力と技能を拡大し向上させる重要性を認識した。閣僚は、これにより、メンバーがグローバル経済に参加し貢献する能力が大きく向上し、貿易と投資を円滑化することを確信した。閣僚は、APEC地域における電気通信分野の自由化のプロセスに留意し、この目的を達成するため「情報通信作業部会(TEL)」が行っている取組を賞賛した。

 閣僚は、メンバーが「WTO電気通信参照文書」に含まれている原則を実施する際の指針として機能しうる、電気通信・情報産業担当大臣(TELMIN)による2005年の「リマ宣言」に言及されている「WTO電気通信参照文書の実施に係るベスト・プラクティス」を歓迎した。

 閣僚は、TELによる「基本電気通信に関するWTO参照文書の採択・実施に向けた進展」の改訂に関する継続的作業を歓迎した。

 閣僚はまた、各メンバー内におけるICTの投資及び利用者の環境を整備するための体制を発展させる重要性を認識し、TELMINが採択した「効果的な遵守と執行原則」を歓迎した。閣僚は、これらの文書は、APECメンバーにとり、WTOドーハ・ラウンドに対する支持及びボゴール目標の達成に向けたキャパシティ・ビルディングのための重要な手段であることに留意した。

 閣僚はまた、地域内での電気通信機器の自由な流れを促進してきた「適合性評価に関するAPEC相互承認取決め」の実施がAPECメンバーにもたらした進展に留意した。

 閣僚は、「アジア太平洋情報通信基盤(APII)」が地域の競争力確保にとって不可欠な基盤であることを再確認し、TELの実務者に対し、「アジア太平洋情報社会(APIS)」の実現に向けた努力の強化を指示した。

 閣僚は、2000年以降APEC地域内のインターネット・アクセスが2倍以上に増加した実績を賞賛し、「ブルネイ目標達成への前進」に関するTELの報告に留意し、また第6回APEC電気通信・情報産業担当大臣会合(TELMIN)で採択され、普遍的なブロードバンド・アクセスを新たな目標とした「APEC地域におけるブロードバンド開発のための基本原則」を歓迎した。閣僚は、インターネット及びブロードバンドへのアクセスとその利用の拡大が、生産性の向上と商取引の拡大、教育・健康・医療サービスへのアクセス、また流行病や災害発生時の情報伝達など、極めて大きな経済的・社会的利益をもたらしうることを認識した。したがって、閣僚は、APECメンバーに対し、これらの原則に従い、障害者や特殊なニーズを有する人々を含めたブロードバンドの配備・アクセス・利用、電気通信市場の継続的な競争と自由化の促進、ブロードバンド・ネットワーク及びサービスの利用に対する信頼醸成を最大化するような国内政策と規制枠組みの策定及び実施を促した。

 閣僚は、市場の選択と競争を確保し、セキュリティを促進し、革新を奨励し、透明性があり技術中立的でバランスのとれた政策を確認し、また、オープン・スタンダードに基づく相互運用性を実現するためには、使用公開(オープン・ソース)ソフトウェアと商用ソフトウェアの双方が重要な役割を果たすというTELMINで共有されている理解を再確認した。

 閣僚は、11月にチュニジアで開催される世界情報社会サミット(WSIS)の第二段階の重要性を認識し、WSIS IIに対するAPECのインプットに関してTELが行った作業を賞賛し、WSIS [[undef12]]の会合にて提示される報告書「APIIからAPISへ:世界情報社会サミットへの貢献」を歓迎した。

 閣僚は、全てのAPECメンバーのデジタル能力の向上を目的とした努力を引き続き奨励した。このため、閣僚は、デジタル・デバイドをデジタル機会に転換することを目的として「APECデジタル機会センター(ADOC)」がもたらした顕著な進展に留意した。閣僚は、ますます重要性が高まるこの分野においてAPECが取組を続ける必要性を認識し、全てのAPECメンバーによる「デジタル経済」へのより良い参加ができるような将来の進展に期待した。

 閣僚は、「e-APEC戦略」の達成は電子商取引環境の一体性と安全性にかかっていることを認識し、TELがこの分野で行った取組を賞賛した。閣僚は、TELが策定した「信頼性のある安全かつ持続可能なオンライン環境確保のためのAPEC戦略」を歓迎し、APECメンバーが特定された分野において活動することを奨励し、同戦略の実施を促進する方法の検討をTEL及びその他の適当なAPECフォーラムに対し指示した。閣僚はまた、TELによる他の関係国際フォーラムへの接触、特に、共同の研究と分析を含めたOECDとAPEC間の協力と情報共有を強化する確約を生んだ「電子セキュリティとスパイウェアに関するAPEC-OECDワークショップ」の成功を歓迎した。

 閣僚は、情報が不断に流れることの重要性を認識しつつ、「APECプライバシーのための枠組みの国際的実施に関するガイダンス・セクション」を承認し、「電子商取引運営グループ(ECSG)」による「APECプライバシーのための枠組み」の完成と発行を賞賛し、同枠組みの国内的及び国際的実施に関する2つの技術支援セミナーに留意した。

マクロ経済的問題{前8文字下線有り}

 閣僚は、全てのAPECメンバーが、比較的力強い世界経済のパフォーマンスを利用して各エコノミー内の主要なリスクと脆弱性に対処する共同責任を負うことに言及した財務大臣声明を支持した。これは、世界的不均衡の秩序立った調整を確保することに寄与し、より持続可能な対外ポジション及びより力強い中期的な成長の達成に資するものである。

 閣僚は、「2005年経済委員会(EC)レポート」、「2005年APECエコノミック・アウトルック」、「APEC地域における技術的進歩のパターンと見通し」と題された知識基盤型経済(KBE)/ニュー・エコノミーによるプロジェクト、及び「APEC地域における投資の自由化及び円滑化の影響に関するフォローアップ研究」と題されたTILFによるプロジェクトの報告書を承認した。

 閣僚は、ECが、関連のAPECフォーラム及び財務大臣プロセスと協議しつつ、構造改革アジェンダを調整し同アジェンダに貢献する権能を一層政策指向的及び行動指向的にする一方で、その分析機能を維持する努力を継続していることを賞賛した。

構造改革{前4文字下線有り}

 閣僚は、構造改革はAPECメンバーが直面している主要な「国境内での」問題であり、貿易・投資の自由化及び円滑化がもたらす利益の実現に不可欠な手段であることを認識した。

 したがって、閣僚は、APEC全体にわたる構造改革の活動を調整するというECの新たな役割を歓迎し、「APEC構造改革行動計画」において明らかにされた格差を縮小するためのキャパシティ・ビルディングのイニシアティブの進展を奨励した。

 閣僚は、APECとOECDによる経験の共有を促進した「APEC-OECD構造改革キャパシティ・ビルディング・シンポジウム」の成功を歓迎した。閣僚は、構造改革の主要部分である規制改革が行いうる、APEC地域における一層開かれた競争力のある市場のための貢献に関する同シンポジウムの主要な結論を歓迎し、ECに対し、この分野において追加的な作業を行うことを奨励した。

 閣僚は、ECによって策定された「構造改革作業計画(LAISR2010)」を歓迎した。同計画は、LAISR宣言に従い今後5年間にわたりAPEC全体の構造改革問題に取り組むためのロードマップを設定したものである。閣僚は、構造改革に向けたこの「全APEC」アプローチを2006年に更に進展させ、そのアプローチの中で、CTI SELI及びCTI CPDGを含むAPECの他の関連するフォーラム及び財務大臣プロセスとの一層緊密な連携とより良い協調の確立を期待した。閣僚は、これらのグループに対し、構造改革の問題に関してECと緊密に協力することを奨励した。

ビジネス界との相互作用{前11文字下線有り}

1.APECビジネス諮問会議(ABAC)との対話

 閣僚は、アジア太平洋地域のビジネス環境を向上させるための具体的イニシアティブについて助言を与えるというABACの役割を認識した。閣僚は、そのような助言を適切な場合には考慮することを確約するとともに、実務者に対してもそのように指示した。閣僚はまた、ボゴール目標に向けたAPECの進展に関する中間評価へのABACの貢献に感謝した。閣僚は、政府とビジネス部門との間の作業関係を引き続き強化する必要性を強調し、APECが時宜を得た方法でビジネス界の意見を共有できるべく、ABAC代表者と実務者がより緊密な意思疎通を通じて連携を継続することを確認した。

2.産業界との対話

 産業界との対話を通じたAPECの産業界及びその他の利害関係者との協力は、APECにおける主要な貿易円滑化目標を実施する上で非常に効果的な仕組みとして発展してきた。閣僚は、産業界との対話による取組を、公共部門と民間部門との間の理解を向上させ、貿易円滑化、関税・非関税障壁及び透明性を含めたDDAへのAPECの貢献を増進するものとして歓迎した。

自動車対話:

 閣僚は、DDA支援の要請に対応するための自動車対話の努力に留意し、同グループに対し作業の拡充を奨励した。閣僚は、同グループがIPRの問題への関心を高めていることに留意し、同グループに対し、自動車業界の関心事項をより明確に特定し、適当な場合には知的財産権専門家グループ(IPEG)と協調することを奨励した。閣僚は、ASEANの部品供給業者に対する支援及びフィリピンのマニラ港における税関のベスト・プラクティスを実施するプロジェクトに焦点を当てた、自動車対話のECOTECH活動を承認した。

化学対話:

 閣僚は、EUの化学品規制案(REACH)及び「有害物質規制」(RoHS)を含む製品関連の環境規制が国際貿易に及ぼす潜在的影響及びこれらの規制により生じ得るビジネスへの負担につき、引き続き懸念を有した。閣僚は、これらのイニシアティブが、貿易円滑化に不要な制約を課すことなく人間の健康と環境の保護につながるものとなるべく、二国間及び適当な国際的なフォーラムにおいて協議を継続することを要請した。閣僚は、「分類・表示国際調和化システム」(GHS)の実施におけるAPECの役割に関し、化学対話が貿易担当大臣会合(MRT)に行った報告を歓迎した。閣僚は、APECメンバーが引き続きGHSを実施することを奨励し、来年タイにおいて開催予定である「GHSの実施及び技術支援に関するAPECセミナー」を歓迎した。

生命科学革新フォーラム(LSIF):

 閣僚は、バイオ医療生命科学エコノミーの発展を促進し、感染症及び慢性病並びに人口高齢化の傾向を含む健康及び経済上の新たな課題に対応するため、地域における技術革新を育む環境の醸成を目的とした協力を強化する必要が高まっていることに留意した。閣僚は、9月に慶州で行われた「第3回APEC生命科学革新フォーラム」(LSIF)が成功裡に終了したことを歓迎した。閣僚は、2004年にサンティアゴで首脳によって承認された「生命科学革新の促進のためのAPEC戦略計画」がその実施において進展をみていることに留意し、引き続き努力することを奨励した。閣僚は、研究、資本へのアクセス、国際基準との調和、及び保健サービスを含む優先分野におけるプロジェクトを実施すべきであるとの第3回LSIFの提言を支持した。

非鉄金属対話(NFMD):

 閣僚は「第1回非鉄金属対話」(NFMD)を歓迎し、同グループが非鉄金属貿易の促進に関する問題についての理解の向上に貢献することを期待した。閣僚はまた、第1回NFMDにおいて合意された、以下の要素を含む作業計画を歓迎した。その要素とは、非鉄金属産業のネットワークの形成、最重要の協力分野を特定するために行う業界への質問票の策定、及び非鉄金属業ビジネス提言マトリックスの発展である。閣僚は特に、本年行われた化学対話とCTI SCSCとの協力が、APECにおける相乗作用の創出の好例を示したことに留意した。

農業バイオテクノロジーに関するハイレベル政策対話(HLPDAB):

 閣僚は、農業生産性の向上、食糧安全保障の改善及び環境資源の保護を通じてもたらされる農業バイオテクノロジーの恩恵を実現することの重要性を認識した。閣僚は、3月にソウルで「第1回高級実務者会合」(SOM [[undef12]])に際して開かれた「第4回農業バイオテクノロジーに関するAPECハイレベル政策対話」の成果を歓迎した。閣僚は、農業バイオテクノロジーに対する透明性があり科学に基づいたアプローチが費用面で及ぼす影響及びそのアプローチの有用性を含め、多くの要因が、バイオセイフティに関するカルタヘナ議定書を含む国際条約上の義務の履行に関する議論と関連している、とする同政策対話の提言に留意した。閣僚はまた、バイオセイフティに関するカルタヘナ議定書の実施を含むバイオテクノロジー政策の発展及び実施をメンバーが検討するにあたり、政府内部での対話を奨励する有用性を認識した。

 閣僚は、2006年にベトナムにおいて開催される「第5回農業バイオテクノロジーに関するハイレベル政策対話」を支持した。

 閣僚はまた、APECメンバーに対し、2006年1月にマニラで開催される「バイオセイフティ政策オプションに関する会議」への参加と、第5回ハイレベル政策対話における議論の促進を奨励した。この会議は、APEC地域におけるバイオセイフティ規制のための政策オプションの模索に焦点を当てるであろう。

異文化間交流{前6文字下線有り}

 閣僚は、「APEC異文化間交流担当者ネットワーク」(CFPN)の2005年報告書を歓迎し、その提言を承認した。閣僚は、メンバー間の相互理解促進の分野を特定するCFPNの作業を賞賛した。

 閣僚は、実務者に対し、異文化間の理解とAPECの存在感を向上させるため、CFPNの提言を実施すべく努力することを指示した。この提言には、APECウェブサイトを通じた情報共有の強化、「APEC文化協力行事」、「APEC若手芸術家祭」、「CFPNの活動に関する高級実務者へのコーディネーター年次報告」が含まれる。

 閣僚は、10月に釜山で開催された「APEC映画週間:APEC映画特別上映会」の成功を歓迎した。閣僚は、同事業がAPECメンバー間の相互理解の向上と、APECの文化協力活動のさらなる発展への道を開くことに貢献したと認識した。

 閣僚は、文化交流及び協力が、アジア太平洋共同体というAPECのビジョンの達成に向けたAPECのさらなる前進を可能にするであろうことに留意した。閣僚は、メンバーに対し、APEC域内での異文化間交流の促進に引き続き取り組むことを奨励した。

ジェンダーの統合{前8文字下線有り}

 閣僚は、「ジェンダー・フォーカル・ポイント・ネットワーク」(GFPN)の報告書を歓迎し、APECのプロセスと活動にジェンダーの問題を統合しようとするGFPNの努力を賞賛した。

 閣僚は、APEC経済における女性による重要な貢献を再確認し、女性が労働者、起業家、投資家として、特に女性が所有し経営する中小零細企業を通じて、貿易及び投資に参加することは、持続的な地域経済の成長にとって重要な要素であることを認識した。

 閣僚は、ジェンダーの統合というAPECの目標の達成と強化に不可欠であるので、女性による意思決定への参画の拡大を促進し円滑化するためのさらなるイニシアティブが必要であることを認識した。閣僚は、実務者が、ジェンダーに対応した政策及びプロジェクトを通じ、貿易自由化・円滑化が及ぼす男女間での異なる影響について理解を深め、ジェンダーに配慮した政策及びプロジェクトの立案・実施・監視・評価及び伝達の有効性を高めるために、GFPNがAPEC実務者に対し、定期的にジェンダー情報会合及びジェンダー分析研修を行うGFPNの提案を歓迎した。

 閣僚は、「APECにおける女性の統合に関するフレームワーク」の実施を改善する必要性に留意し、各フォーラムとメンバーに対し、同フレームワークを適用し推進する上で測定可能な措置を講じるよう要請した。閣僚はまた、APECのフォーラム及びメンバーに対し、GFPN会合に参加できるジェンダー・フォーカル・ポイントの指名を奨励した。

 閣僚は、「APECにおける女性のITキャパシティ・ビルディングのための2005年デジタル・エコノミー研修へのAPEC女性参加イニシアティブ」を歓迎した。閣僚はまた、女性の輸出者や小規模ビジネスのニーズにあった貿易促進措置及び透明性のある措置を特定し実施するための、貿易投資委員会(CTI)によるAPECプロジェクト「潜在的な女性輸出者への支援」のフォローアップ活動の進展に留意し、研究結果をAPECメンバー内で現地語化し、幅広く普及することを呼びかけた。閣僚は、APECにおけるジェンダーの統合をさらに促進し強化するため、「ジェンダーに関する専門性のフォーラムを超えた統合」及び「ジェンダー分析研修」という二つのプロジェクト提案を承認した。

青年{前2文字下線有り}

 閣僚は、「サイバーワールドにおけるAPEC青年」というテーマの下で、8月に韓国で開催された「2005年APEC青年プラザ」の成功を歓迎した。閣僚はまた、「健全な電子世界へ向けたソウル宣言」を歓迎し、APECの青年に対してデジタル機会を拡大する必要性を認識した。

 閣僚は、9月に開催された「APEC技術革新協力青年会議」(TIC100)を歓迎した。

 閣僚は、「2006年APEC青年キャンプ」を開催するとのベトナムの提案を奨励し、歓迎した。

非メンバーの参加{前8文字下線有り}

 閣僚は、2002年のガイドラインが本年末に期限満了となる時点でこれに代わることとなる、新たに改訂された「APEC活動への非メンバーの参加に関するガイドライン」を承認した。閣僚は、APECの活動へのABACの参加を促進することによりAPECとABACとの協力を強化する効果的な方法であるとして、新たな改訂ガイドラインを歓迎した。

APEC改革{前6文字下線有り}

 閣僚は、APEC財政改革、より良い調整を通じた効率性の向上及び改革の継続という3つの分野に重点を置いた「APEC改革と財政の持続可能性」に関する報告書を承認した。閣僚は、財政の持続可能性の確保、より効果的な作業構造の策定及び改革の継続の推進に向けた措置を採用することにより、急速に変化する国際環境におけるAPECの意義及び有効性の維持に貢献するとして、2005年のAPEC改革の実績を賞賛した。

 閣僚は、APECの財政の持続可能性を確保する方策として、各メンバーの財政手続に従い2007年及び2008年にメンバーの年間拠出金を増額するという実務者間で共有された理解に留意した。閣僚はまた、財政管理委員会(BMC)とAPEC事務局との間での適切な作業分担により、プロジェクト査定手続を改善するという決定を歓迎した。

 閣僚は、経済・技術協力小委員会(ESC)を「経済・技術協力に関するSOM運営委員会」(SCE)に改変するという実務者の決定を歓迎した。閣僚は、改変後のSCEが、調整機能を担い、作業部会のプロジェクト案の順位付けを行うという拡大された権能を有することは、ECOTECH活動の調整の強化に貢献することを認識した。閣僚はまた、委任事項(TOR)及び定足数の見直しのような措置を通じて、下部組織・作業部会・タスクフォース間のより良い調整を図るという決定を歓迎した。

 閣僚は、実務者に対し、APEC改革アジェンダを将来の優先事項として維持し、APECを一層効果的で信頼できるものにすることを指示した。

 閣僚は、メンバーに対し、APECの財政基盤を強化する方策として、ASFまたはTILF勘定への拠出を検討することを求めた。

部門別閣僚会合{前7文字下線有り}

1.エネルギー及び鉱業担当大臣会合

 閣僚は、前述の「エネルギー安全保障」の節にあるとおり、10月に慶州で開催された「第7回エネルギー大臣会合」の成果を歓迎し支持した。閣僚はまた、10月に慶州で開催された「第2回鉱業担当大臣会合」の成功を歓迎し、持続可能な開発の経済的、環境的及び社会的側面への閣僚のコミットメントを確認するとともに、多くのAPECメンバーがさらなる発展を遂げるための基盤としての鉱業及び金属産業の重要性を認識した。

2.APEC海洋関係大臣会合

 閣僚は、9月にバリで開催された「第2回APEC海洋関係大臣会合」の成果を歓迎した。閣僚は、海洋資源及び海洋環境の持続可能な管理と経済成長との間のバランスを図るために実質的かつ具体的な方策を執ることにより、2002年ソウル海洋宣言を前進させるための実際的な確約を含んだ「バリ行動計画」(BPA)を賞賛した。

 閣僚は、APECの全ての関連フォーラムに対し、BPAを支持するAPECの幅広い活動の中で一貫性及び整合性を確保するため、BPAに然るべく留意することを指示した。

3.財務大臣会合

 閣僚は、全てのメンバーがAPEC地域の人口高齢化に伴って生ずる課題の重要性及び緊急性に対処するために適切な政策と戦略を整える必要があることに留意し、また地域における自由かつ安定した資金の流れを促進するためには、金融サービス部門が開かれたものであり、よく監督され、かつ制度的に健全であることの重要性を強調した「第12回APEC財務大臣会合」(FMM)の成果を歓迎し、支持した。閣僚はまた、財務大臣による「済州宣言」において支持された、人口高齢化の問題に関するメンバー共通の懸念への取組を目的とした国内改革及び国際協力を歓迎した。

 閣僚はまた、ドーハ開発ラウンドにおける金融サービス交渉、テロ資金供与との闘い、FDIの促進、及びますます重要となっている国際資金フローのより効率的な移動を促進するための送金サービスとそれに対する監視のさらなる改善のニーズについてのFMMの討議を歓迎した。

4.中小企業大臣会合

 閣僚は、9月に大邱で開催された「第12回APEC中小企業大臣会合」の前述の成果、特に「中小企業革新行動計画に関する大邱イニシアティブ」及び「APEC中小企業革新センター」の採択を歓迎した。

5.電気通信・情報産業担当大臣会合

 閣僚は、6月にリマで開催された「第6回電気通信・情報産業担当大臣会合」(TELMIN6)の前述の成果、特に「リマ宣言」及び「TEL行動計画」の採択を歓迎した。

APEC事務局{前7文字下線有り}

 閣僚は、APEC事務局長の報告に満足をもって留意し、一年を通して主催メンバー及びAPECプロセス全体を支えた事務局の努力を賞賛した。

 閣僚は、「APEC事務局の特権免除に関するシンガポール政府とアジア太平洋経済協力機構事務局との間の協定に対する補完協定」の交渉が成功裡に妥結したことを歓迎し、補完協定がAPEC事務局及びシンガポール政府の管理責任をより明確化することに留意した。

 閣僚は、この機会を捉え、1993年のAPEC事務局設立以来シンガポール政府が同事務局に対して厚遇を供してきたことに対し、同政府に感謝の意を表した。

ACMSとAIMP:

 閣僚は、APEC事務局による「APEC情報交換システム(ACMS)」と「APEC情報管理ポータル(AIMP)」の開発を歓迎した。

APECの手続と慣行に関する手引書:

 閣僚は、将来のAPEC会合準備のための主催者用の主要な参考文書としてAPEC事務局が作成した「APECの手続と慣行に関する手引書」を歓迎した。

公式オブザーバー{前8文字下線有り}

 閣僚は、APECと公式オブザーバーであるASEAN事務局、太平洋経済協力会議(PECC)及び太平洋島嶼国フォーラム(PIF)との間の相互作用を歓迎するとともに、本年採択されたPECCのソウル宣言に含まれているような公式オブザーバーによるAPECへの提言に留意した。

将来の会合{前5文字下線有り}

 閣僚は、ベトナムで開催される2006年APECの準備状況に留意した。閣僚は、将来のAPEC閣僚会議が2007年にオーストラリアで、2008年にペルーで、2009年にシンガポールで、2010年に日本で開催されることに留意した。

高級実務者会合の報告の承認{前13文字下線有り}

 閣僚は、特に2006年のAPECの予算案及びメンバーの拠出に対する評価に関する決定事項を含む高級実務者会合の報告を承認した。

*1* 国連加盟国ではないAPECメンバーは、それぞれの地位に適合する方法で、UNCACにより定められた措置、実施及び目標の達成につき前向きに検討し努力を行う。