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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 開発途上国の必要を特に考慮する、すべての国の利益のための宇宙空間の探査及び利用における国際的な協力に関する宣言(スペース・ベネフィット宣言)

[場所] 
[年月日] 1996年12月13日
[出典] JAXA(宇宙航空研究開発機構)
[備考] 採択 1996年12月13日(第51会期国際連合総会決議第51/122号)
[全文]

 総会は、

 宇宙空間平和利用委員会の第37会期の作業に関する報告書(訳者注:Official Records of the General Assembly,Fifty-firstSession,SupplementNo.20(A/51/20))並びに当該委員会により承認され、当該報告書に附属した、「開発途上国の必要を考慮する、すべての国の利益のための宇宙空間の探査及び利用における国際的な協力に関する宣言」の文書(訳者注:同上AnnexIV)を考慮し、

 国際連合憲章の関連規定に留意し、

 特に、月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における国家活動を律する原則に関する条約の規定を想起し(訳者注:Resolution2222(XXI)、Annex)、

 また、宇宙空間における活動に関する関連決議を想起し、宇宙空間の平和的な探査及び利用に関する第2回国際連合会議の勧告(訳者注:Report of the Second United Nations Conference on the Explorationand Use of Outer Space , Vienna,9-21August 1982 and Corrigenda(A/Conf.101andcorr.1and2))、並びにこの分野に関連したその他の国際会議の勧告に留意し、

 平和目的のための宇宙空間の探査及び利用における国家間並びに国家及び国際組織の間の国際的な協力の範囲及び重要性の増大を認識し、

 国際的な協力のベンチャーにおいて得られる経験を考慮し、

 すべての関係当事国の相互利益のために、この分野における幅広いかつ効率的な協調に達するために国際的な協力を一層強化することの必要性及び重要性を確信し、

 月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用が、その経済的又は科学的発展の程度に関わりなく、すべての国の利益のために行われるものであり、かつ、全人類に認められる活動分野であるという原則の適用を促進することを希望し、

 この決議の附属書に定める、開発途上国の必要を特に考慮する、すべての国の利益のための宇宙空間の探査及び利用における国際的な協力に関する宣言を採択する。


附属書:開発途上国の必要を特に考慮する、すべての国の利益のための宇宙空間の探査及び利用における国際的な協力に関する宣言

1 平和目的のための宇宙空間の探査及び利用における国際的な協力(以下「国際協力」という。)は、国際連合憲章及び月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における国家活動を律する原則に関する条約を含む国際法の規定に従って行うものとする。国際協力は、その経済的、社会的又は科学的及び技術的発展の程度に関わりなく、すべての国の利益のために行われるものとし、全人類に認められる活動分野である。開発途上国の必要に特別な考慮が払われるべきである。

2 国家は、衡平かつ相互に容認可能な基礎に立って、自国の宇宙空間の探査及び利用における国際協力への参加に係るすべての面を決定する自由を有する。この協力的なベンチャーにおける契約上の条件は公正かつ合理的であるべきであり、例えば、知的所有権のような、関係当事国の合法的な権利及び利益に完全に適合すべきである。

3 すべての国、特に、関連する宇宙能力及び宇宙空間の探査及び利用計画を有する国は、衡平かつ相互に容認可能な基礎に立って、国際協力の促進及び強化に貢献すべきである。この文脈において、開発途上国、並びにより先端的な宇宙能力を有する国と共に実施されるこの国際協力から生ずる初期の宇宙計画を有する国の利益に特別な注意を払うべきである。

4 国際協力は、特に、政府間及び非政府間協力、商業的な及び非商業的な協力、世界的、多国間的、地域的又は二国間的協力、並びに、すべての発展の程度における国家間での国際協力を含む、関係当事国により最も効果的かつ適切とみなされる方法で行われるべきである。

5 国際協力は、特に、開発途上国の必要を考慮しながら、とりわけ、開発途上国の技術的援助及び合理的かつ効率的な財政的、技術的資源の配分の必要を考慮する次の目標を目指すべきである。

  (a) 宇宙科学及び技術並びにその応用の発達を促進すること。

  (b) 関係国における妥当かつ適切な宇宙能力の発達を促進すること。

  (c) 相互に受け入れ可能な基礎に立っての国家間の専門的知識及び技術の交換を容易にすること。

6 国家機関及び国際的な機関、研究機関、開発援助組織、並びに先進国及び開発途上国は、等しく、宇宙応用の適切な利用及びその開発目標を達成するための国際協力の可能性を考慮すべきである。

7 宇宙空間平和利用委員会は、特に、宇宙空間の探査及び利用における国際協力の分野での国家的及び国際的な活動に関する情報交換のためのフォーラムとしてのその役割が強化されるべきである。

8 すべての国は、国際連合の宇宙応用計画、並びに、国際協力の分野におけるその他のイニシアチブに、その宇宙能力及び宇宙空間の探査及び利用への参加に応じて貢献するよう奨励されるべきである。