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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 侵略の定義に関する決議

[場所] 
[年月日] 1974年12月14日
[出典] 現代国際関係の基本文書 下,一般財団法人鹿島平和研究所,103-105頁.
[備考] 国際連合総会決議3314号
[全文]

 総会は、

  (中略)

 侵略の定義を含む以下の附属書を採択する。

  附属書

第1条 〔侵略の定義〕侵略とは、この定義に定められているごとく、一国が他国の主権、領土保全若しくは政治的独立に対して武力を行使すること、又は国際連合憲章と両立しない他のいずれかの方法により武力を行使することをいう。

  (中略)

第2条 〔武力行使〕憲章に違反して武力を最初に行使することは侵略行為の明白な証拠となる。ただし、安全保障理事会は、侵略行為がなされたとの決定が、問題となっている行為又はその結果が十分に重大ではないという事実を含む、その他の関連事情に照らして、正当ではないとの結論を、憲章に従って導くことができる。

第3条 〔侵略行為〕次の行為はいずれも、宣戦布告の有無にかかわりなく、第2条の規定に従うことを条件に、侵略行為とみなされる。

(a) 一国の軍隊による他国領域への侵入若しくは攻撃、又は、一時的なものにせよ、右の侵入若しくは攻撃の結果生ずる軍事占領、又は武力行使による他国の領域若しくはその一部の併合

(b) 一国の軍隊による他国の領域に対する爆撃、又は、一国による他国の領域に対する武器の使用

(c) 一国の軍隊による他国の港又は沿岸の封鎖

(d) 一国の車隊による他国の陸軍、海軍若しくは空軍又は商船隊及び航空隊に対する攻撃

(e) 受入国との合意に基づいてその領域内にある他国の軍隊を、協定に定められた条件に違反して使用すること、又は協定の終了後も右の領域で他国の車隊が駐留を延長すること

(f) 他国の自由に任せた一国の領域が右の他国によって第三国に対して侵略行為をなすために使用されるのを許すにさいしての、右の国の行為

(g) 右に掲げた行為に相当するほどの重大な武力行為を他国に対して行う武装した一隊、集団、非正規軍若しくは傭兵が一国により又はその国のために派遣されること、又は、それに国が実質的に関わること

第4条 〔安保理事会の決定権〕右に列挙した行為は網羅的ではなく、また、安全保障理事会は、その他の行為が憲章の規定上侵略を構成すると決定することができる。

第5条 〔侵略の正当化、国際責任〕

1. 政治的、経済的、軍事的その他いかなる性質の考慮も、侵略を正当化するものとして役立つことはできない。

2. 侵略戦争は、国際の平和に対する罪である。侵略は国際責任を生ずる。

3. 侵略の結果生ずるいかなる領土取得も、特別な利益も、合法的ではないし、また、合法的なものと認めてはならない。

第6条 〔国連憲章との関係〕この規程中のいかなる規定も、武力の行使が合法的である場合に関する規定を含めて、憲章の範囲をいかなる意味においても拡大し、また縮小するものと解してはならない。

第7条 〔人民の諸権利〕この定義のいずれの規定も、また特に第3条も、国際連合憲章に由来し、かつ憲章に従った国家間の友好関係及び協力に関する国際法の原則についての宣言において定められている、人民の自決、自由及び独立に対する権利をいかなる方法によっても害することはできない。このことは、右の権利を強制的に剥奪された人民、特に植民地的、人種差別的政権又はその他の形態の外国人支配の下にある人民についてそうである。また、これらの人民が、憲章の原則に従いかつ前記の宣言に従って、その目的のために闘う権利並びに支持を求め及びこれを受ける権利も害することはできない。

第8条 〔解釈〕上記の諸規定はその解釈及び適用上、相互に関連するものであり、各規定は、他の規定との関連において解釈されなければならない。