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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 朝鮮における軍事休戦に関する一方国際連合軍司令部総司令官と他方朝鮮人民軍最高司令官および中国人民志願軍司令との間の協定(朝鮮休戦協定)

[場所] 
[年月日] 1953年7月27日
[出典] 現代国際関係の基本文書(上),一般財団法人鹿島平和研究所編,日本評論社,566-569頁
[備考] 署名:1953年7月27日
[全文] 

前文

 国際連合軍司令部総司令官を一方とし、朝鮮人民軍最高司令官および中国人民志願軍司令を他方とする下記署名者は、双方に多大な苦痛と流血をもたらした朝鮮の紛争を停止するため、また、朝鮮における敵対行為および軍隊のすべての行動の完全な停止を確保する休戦を確立するため、最終の平和的解決を達成するまでの間、個別的に、集団的に、また、相互に次の条項に掲げる休戦の条件を受諾しかつ、その拘束と支配を受けることに同意する。これらの条件は、純然たる軍事的なものであり、ひとえに朝鮮における交戦に関するものとする。

第1条(軍事境界線および非武装地帯) 1. 軍事境界線を確立し、対抗する軍隊の間に非武装地帯を設定するため、双方の軍隊は、この線から2キロメートル後退するものとする。非武装地帯は、敵対行為の再開を招くような事件の発生を防止するための緩衝地帯として設定する。

2.〜3.(略)

4. 軍事境界線は、設置される軍事休戦委員会の指示に従い明瞭に標示しなければならない。対抗する双方の司令官は、非武装地帯と各自の軍事支配下にある区域との間の境界に沿って適切な標識を立てなければならない。軍事休戦委員会は、軍事境界線に沿い、また、非武装地帯の境界に沿って配列されるすべての標識の設立を監督しなければならない。

5. 漢江河口の水域は、片方の岸が一方の支配下にあり、他の片方の岸が他方の支配下にあるところは、双方の民間船舶の航行のために開放しておかなければならない。軍事休戦委員会は、附属地図(地図略)に示す部分の漢江河口の航行規則を定めなければならない。双方の民間船舶は、それぞれの軍事支配下にある陸地への接岸について制限を受けない。

6. 双方は、非武装地帯内でまたは非武装地帯から、また、非武装地帯に対して、いかなる敵対行為も行ってはならない。

7. いかなる軍入または文民も、軍事休戦委員会の許可がない限り、軍事境界線を越えることはできない。

8.〜9.(略)

10. 非武装地帯のうち、軍事境界線以南の部分の民政および救済は、国際連合軍司令部総司令官が責任を負うものとし、非武装地帯のうち、軍事境界線以北の部分の民政および救済は、朝鮮人民軍最高司令官および中国人民志願軍司令が共同で責任を負うものとする。民政および救済を実施するため非武装地帯へ立ち入ることを許される双方の軍人および文民の数は、それぞれの司令官が決定するものとする。ただし、双方がそれぞれ許可する人員の総数は、いかなる場合にも、一時に千人を越えてはならない。民間警察官の数およびその携行武器は、軍事休戦委員会が定めるところによるものとする。他の人員は、軍事休戦委員会の特別の許可がない限り、武器を携行してはならない。

11. 第1条のいかなる規定も、軍事休戦委員会、その補助員、その合同観察班およびその補助員、設置される中立国監視委員会、その補助員、その中立国視察班およびその補助員ならびに軍事休戦委員会が非武装地帯内に立ち入ることを特に許可したその他の者、資材および備品の非武装地帯内への、同地帯からのおよび同地帯内での完全な移動の自由を妨げるものと解してはならない。移動の便宜は、完全に非武装地帯内にある道路により連絡されていない同地帯内の諸地点の間の移動に必要ないずれかの通路により、いずれか一方の軍事支配下にある地域全体にわたり許されるものとする。

第2条(停戦及び休戦に関する具体的取り決め)

(A)総則

 12. 双方の軍司令官は、陸海空軍のすべての部隊と人員を含む自らの指揮下にあるすべての軍隊に、朝鮮における一切の敵対行為を完全に停止することを命令し、かつ、これを確保する。敵対行為の完全停止は、本休戦協定調印の12時間後から発効する。

   (中略)

第3条(略)

第4条(双方の関係政府に対する勧告)

 60. 朝鮮問題の平和的解決を確保するため、双方の軍司令官は双方の関係国の政府に対して、休戦協定が署名され効力を生じた後3カ月以内に、これらの国の政府がそれぞれ任命する代表が出席するよりハイレベルの政治会議を開催して、すべての外国軍隊の朝鮮からの撤退、朝鮮問題の平和的解決その他の諸問題を交渉により解決するよう勧告する。

   (中略)

第5条 (略)