データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 平和の挑戦−−ドル防衛に関するニクソン大統領テレビ演説(ドル防衛策に関するニクソン大統領の演説)

[場所] 
[年月日] 1971年8月15日
[出典] 現代国際政治の基本文書,一般財団法人鹿島平和研究所編,原書房,499-500頁
[備考] 
[全文] 

   (前略)

 今日のアメリカは、まる一世代の平和をもたらし、戦争のない新たな繁栄を生み出すという、アメリカの最も偉大な理想のうちの二つを達成する今世紀最善の機会を持っている。

   (中略)

 戦争のない繁栄には、三つの戦線での行動が必要である。われわれは、より多くの、より良い仕事口を生み出さなければならない。生計費の上昇を食い止めなければならない。国際通貨投機者たちの攻撃からドルを守らなければならない。

   (中略)

 新たな繁栄を樹立するために不可欠の第三の要素は、新たな雇用の創造とインフレの終息に密接な関係を持っている。われわれは世界の通貨安定の柱としてのアメリカのドルの地位を守らなければならない。

 過去7年間、毎年平均1回の国際通貨危機が起こってきた。だれがこれらの危機から利益を得ているか。勤労者ではない、投資家ではない、富の真の生産者ではない。利益を得るのは国際通貨投機者たちである。彼らは、危機によって栄えるために危機を生み出すことに力をかしている。

 最近数週間、投機者たちはアメリカのドルに対して全面戦争を仕掛けてきた。一国の通貨の力は、その国の経済の力に基づく−−そしてアメリカ経済は世界で断然最強である。したがって、私は財務長官に対し、投機者たちからドルを防衛するために必要な措置をとるよう指示した。

 私はコナリー財務長官に対して、通貨安定のためになり、アメリカの最善の利益にかなうと決定された額と条件での場合を除いて、金または他の準備資産へのドルの交換性を一時停止するよう指示した。

   (後略)