データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] イスラエル独立宣言

[場所] 
[年月日] 1948年5月14日
[出典] 現代国際関係の基本文書(上),一般財団法人鹿島平和研究所編,日本評論社,833-835頁.
[備考] 
[全文] 

 イスラエルの地はユダヤ民族の誕生地である。ここで彼らの精神的、宗教的、民族的なアイデンティティは形成された。ここで独立を達成し、民族的、普通的な重要性を持つ文化を創り出した。ここで彼らは聖書を書き世界に送り出した。

 彼らの土地から追放されながらも、ユダヤ民族は彼らが離散したあらゆる国においてイスラエルの地に忠誠を尽くし、いつかは帰還してその地に政治的自由を再興すべく、祈りと希望を決して絶やさなかったのである。

 このような歴史的連想に駆り立てられて、ユダヤ人は世代から世代へと、彼らの古くからの地に彼らの国を再興しようと努力を続け、この数十年彼らは大挙して戻ってきた。開拓者、制約的法律に挑戦しながらこの地に戻ってきた移住者、防衛者たちは砂漠を花咲く地に変え、ヘブライ語をよみがえらせ、村や町を作り、自らの経済や文化を保った豊かな社会を築いた。平和を愛しつつも自らを守るすべを知り、この地に住むすべてのものに祝福と進歩をもたらした。

 1897年、ユダヤ国家の精神的父であるテオドア・ヘルツルの呼びかけに答えて第1回シオニスト会議が開かれ、ユダヤ民族が自らの地に民族の復活を遂げる権利を宣言した。

 この権利は1917年11月2日、バルフォア宣言で承認され、国際連盟の委任統治として確認された。特に、ユダヤ民族とイスラエルの地との間の歴史的つながりと、ユダヤ民族の民族的鄉土を再建する権利に明白な国際的承認を与えた。

 ヨーロッパにおいて数百万のユダヤ人を巻き込んだナチのホロコーストは、イスラエルの地にユダヤ人国家を再建する緊急性を再び明示した。これはすべてのユダヤ人に郷土の門戸を広く開け放ち、すべてのユダヤ国民に国際礼譲の完全な特権を持つ国民の地位を与えるものである。

 ヨーロッパの惨劇から生き残った者や他のユダヤ人は、多くの困難、制限や危険にひるむことなく、また、彼らの郷土に尊厳と自由と勤勉な労働からなる生活を築く権利を決してあきらめることなく、イスラエルの地に次々と移り住み続けた。

 第二次世界大戦において、この国のユダヤ人社会は、邪悪なナチの軍隊に対する自由と平和を愛する諸国民の戦いで兵士の血と戦争努力をもって十分な貢献を果たし、国際連合を設立した諸国民の一つとして数えられる権利を獲得したのである。

 1947年11月29日、国連総会はイスラエルの地に独立したユダヤ人国家建国を求める決議を採択し、この国の国民に建国の計画を実施するために必要な手段をとることを求めた。

 国連がユダヤ国民に自らの独立国家を建国する権利を承認したことは取り消しえないものである。その主権国家において自らの運命を決めるのは、他のすべての民族と同様、ユダヤ民族の生来の権利である。

 従って、イスラエルの地のユダヤ人社会とシオニスト運動を代表する全国評議会のメンバーは、英国のイスラエルの地に对する委任統治が終了する本日参集し、ユダヤ民族の生来の歴史的権利によって、また、国連総会決議を力として、イスラエルの地にイスラエル国家と知られるユダヤ人国家を設立することをここに宜言する。

 (後略)

 [暫定国家評議会デーヴイド・ベングリオン他37名署名]