データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 国際連合総会決議1803号(天然資源恒久主義に関する決議)

[場所] 
[年月日] 1962年12月14日
[出典] 現代国際関係の基本文書(下),一般財団法人鹿島平和研究所編,日本評論社,143-145頁
[備考] 
[全文] 

総会は、

(中略)

   Ⅰ

 次のことを宣言する。

 1. 天然の富と資源に対する恒久的主権への人民及び民族の権利は、彼らの国家的発展と関係国人民の福祉のために行使されねばならない。

 2. このような資源の探査、開発及び処分、並びにこれらの目的のために必要とされる外国資本の輸入は、人民及び民族がこのような活動の認可、制限又は禁止に関して、自由に考えて必要又は望ましいとする規則及び条件に従わなければならない。

 3. 認可が与えられる場合、輸入された資本及びその資本による所得は、その認可の条件、執行されている国内法及び国際法によって規律される。得られた利潤は、受入国の天然の富と資源に対する主権を、いかなる理由によっても損なうことがないよう適切な考慮を払いつつ、投資家と受入国の間で、各々の場合に自由に協定される割合に従って分けられなければならない。

 4. 国有化、収用又は徴発は、国内国外を問わず純粋に個人的又は私的な利益に優越すると認められる、公益、安全又は国家的利益の根拠又は理由に基づくものとする。このような場合には、所有者は、主権の行使としてこのような手段をとる国家で施行されている規則に従い、かつ国際法に従って、適当な補償を支払われる。補償の問題が紛争を生じたときはいつでも、このような手段をとった国家の国内裁判手続が完了されるものとする。しかしながら、主権国家と他の関係当事者の合意が存在する場合には、紛争の解決は仲裁又は国際裁判によって行われなければならない。

 5. 天然資源に対する人民及び民族の主権の自由かつ有利な行使は、主権平等に基づいた諸国家の相互尊重よって促進されなければならない。

 6. 開発途上国の経済開発のための国際協力は、公的若しくは私的な資本投資、商品及び役務の交換、技術援助、又は科学的情報の交換のいずれの形式をとるかを問わず、開発途上国の独立した国家的発展を助長するものとし、また天然の富と資源に対するこれら諸国の主権の尊重に基づくものとする。

 7. 天然の富と資源に対する主権への人民及び民族の権利の侵害は、国際連合憲章の精神及び原則に違反し、国際協力の発展及び平和の維持を妨げる。

 8. 主権国家によって、又は主権国家の間で自由に締結された外国投資協定は、誠実に遵守される。国家及び国際機構は、憲章及び本決議に示された原則に従って、天然の富と資源に対する人民及び民族の主権を、厳格にかつ良心的に尊重する。

   II~III(略)