データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] インド共和国とソビエト社会主義共和国連邦との間の平和友好協力条約(インド・ソ連平和友好協力条約)

[場所] 
[年月日] 1971年8月9日
[出典] 現代国際関係の基本文書(上),一般財団法人鹿島平和研究所編,日本評論社,634-637頁
[備考] 署名:1971年8月9日
[全文] 

 〔前文〕(略)

第1条 締約国は、両国の国家およびその国民の間に、永続的な平和と友好が保たれることを厳粛に宣言する。

 各締約国は、互いに相手国の独立、主権および領土保全を尊重し、相手国の内政に干渉することを差しひかえる。

 締約国は、平等と互恵ならびに上記、の原則に基づき、両国の間に存在する真の友好、善隣、および全面的協力関係の発展および強化を継続する。

第2条 締約国は、両国民の永続的な平和と安全を確保すべく、あらゆる可能な方法をもって貢献することを希求して、アジアおよび世界の平和を維持強化し、軍備競争を中止し、有効な国際管理の下に核および通常兵器を含む全面完全軍縮を達成する努力を続ける決意を宣言する。

第3条 締約国は、人種と信条のいかんを問わず、全ての国民と国家の平等という高邁な理想に忠実に従い、いっさいのかたちの植民地主義と人種差別を非難し、その最終的かつ完全な絶滅のために努力する決意を再確認する。

 締約国はこれらの目的を達成し、植民地主義と人種支配に対し反対闘争を行っている諸国民の正当な願望を支援するため、他の諸国と協力する。

第4条 インド共和国は、すべての国家との友好と協力を強化することを目的とする、ソビエト社会主義共和国連邦の平和政策に対し敬意を表明する。

ソビエト社会主義共和国連邦は、インドの非同盟攻策に敬意を表明し、その政策が世界の平和と国際的安全を維持し、世界の緊張を緩和するうえで重要な要素となることを再確認する。

第5条 締約国は、世界平和と安全の維持に深い関心を持ち、これらの目的達成のための国際的分野での相互協力を大いに重視し、両国の利害にかかわる主要な国際問題について、主要政治家間の会合や意見の交換、両国政府の代表団、特使の訪問および外交チャネルを通ずる交渉等の定期的な接触を維持する。

第6条 締約国は、両国間の経済、科学、技術協力を大いに重視し、平等、互恵と最恵国待遇の原則に基づき、現行諸協定および1970年12月26日のインド・ソ連貿易協定に特記されている隣接諸国との特別な取極めに従い、上記の分野での相互に有益、かつ、包括的な協力を強化拡大し続けるとともに、両国間の貿易、運輸、通信の拡大を続ける。

第7条 締約国は、科学、芸術、文学、教育、保健、新聞、ラジオ、テレビ、映画、観光およびスポーツの各分野において、両国の連帯と接触の一層の発展を促進させる。

第8条 締約国は、両国間の伝統的な友好関係に従い、互いに他方の国に対抗するいかなる軍事同盟にも加わらないことを厳粛に宣言する。

 また締約国は、互いに他方の国に向けられたいかなる侵略にも加わらず、かつ、自国領土が他方の国に軍事的損害を与え得る行動のために使用されるのを防ぐことを約束する。

第9条 各締約国は、互いに他方の国に武力紛争を行う第三国に対し、いかなる援助をも与えないことを約束する。

 両国のうち、一方の国が攻撃され、あるいは攻撃の脅威を受けた場合、各締約国はこの脅威を除き、かつ両国の平和と安全を確保するうえで適切かつ有効な措置をとるため、直ちに相互に協議を開始する。

第10条 締約国は、本条件と相容れない秘密または公表されたいかなる約束をも、他の一国または国々と取極めないことを厳粛に宣言する。

 さらに、締約国は、互いに軍事的損害をもたらす恐れのあるいかなる約束も、自国と他の一国または国々との間に存在せず、また今後も取極めないことを宣言する。

第11条 本条約の期限は20年とし、締約国の一方が本条約失効の12カ月前に、他方の国に対し条約終了の意思を通知しない限り、引きつづき5年の期間自動的に延長される。

 (中略)

第12条 (略)