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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] ロシア・ソビエト社会主義連邦共和国第1回人民代議員大会の国家主権宣言(ロシア国家主権宣言)

[場所] 
[年月日] 1990年6月12日
[出典] 現代国際関係の基本文書(上),一般財団法人鹿島平和研究所編,日本評論社,797-799頁
[備考] 
[全文] 

 第一回ロシア・ソビエト社会主義連邦共和国人民代議員大会は、

−ロシアの運命に対する歴史的責任を自覚し、

−ソビエト社会主義共和国連邦に加盟するすべての民族の主権に対する敬意を表し、

−ロシア・ソビエト社会主義連邦共和国の諸民族の意思を表明して、

−ロシア・ソビエト社会主義連邦共和国の全領土におけるその国家主権を厳粛に宣言し、新たなソビエト社会主義共和国連邦の構成員として、民主的法治国家を創設する決意を表明する。

 1. ロシア・ソビエト社会主義連邦共和国は、ここに歴史的に統合された諸民族が創設した主権国家である。

 2. ロシア・ソビエト社会主義連邦共和国の主権は、何世紀にもわたる歴史、文化および確固たる伝統を持つロシアの国家体制の存立のための当然かつ不可欠の前提である。

 3. ロシア・ソビエト社会主義連邦共和国における主権の担い手及び国家権力の源は、その多民族からなる国民である。国民は、ロシア・ソビエト社会主義連邦共和国憲法に基づき、国家権力を直接にまたは代議機関を通して行使する。

 4. ロシア・ソビエト社会主義連邦共和国の主権を、最高の目的のために、すなわち、各人に、しかるべき生活、自由な発展、母語の使用という奪うことのできない権利を保障し、各民族に、自らが選んだ民族国家形態、民族文化形態での自決の権利を保障するために宣言する。

 5. ロシア・ソビエト社会主義連邦共和国の主権の政治的、経済的および法的保障のために次のことを定める。

−ロシア・ソビエト社会主義連邦共和国が自発的にソビエト社会主義共和国連邦の管轄に委ねたものを除き、国家的および社会的生活のあらゆる問題の解決に際してのロシア・ソビエト社会主義連邦共和国の完全な権力、

−ロシア・ソビエト社会主義連邦共和国の全領土におけるロシア・ソビエト社会主義連邦共和国憲法およびロシア・ソビエト社会主義連邦共和国の法律の最優位、すなわちロシア・ソビエト社会主義連邦共和国の主権と背馳するソビエト社会主義共和国連邦の法律は、共和国がその領土における効力を停止する。共和国と連邦の間の不一致は、連邦条約が定める手続きで解決する。

−ロシアの国家資源の所有、利用、管理に対する国民の独占的権利、

−他の連邦構成共和国および諸外国におけるロシア・ソビエト社会主義連邦共和国の全権的代表権、

−共和国がソビエト社会主義共和国連邦に委ねた権限の実行に共和国が参加 する権利。

 6. ロシア・ソビエト社会主義連邦共和国は、条約に基づき他の共和国と共に連邦を結成する。ロシア・ソビエト社会主義連邦共和国は、連邦構成共和国およびソビエト社会主義共和国連邦の主権を認め、尊重する。  7. ロシア・ソビエト社会主義連邦共和国は、連邦条約および、それに基づく法律の定める手続きによりソビエト社会主義共和国連邦から自由に脱退する権利を留保する。 (後略)