データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 国連安全保障理事会決議687号(イラク停戦)

[場所] 
[年月日] 1991年4月3日
[出典] 現代国際政治の基本文書,一般財団法人鹿島平和研究所編,原書房,844-848頁.
[備考] 
[全文] 

「前文」(略)

1.正式な停戦を含む本決議の目的を達成するため、以下に明示的に変更されたものを除き、上記(略)の13決議すべてを確認する。

A「国境の不可侵と国境線の画定」

2.イラクおよびクウェートに対し、1963年10月4日にバグダッドにおいて両国により主権の行使として署名されて国際連合に登録され、国連の条約集1964の国連文書7063にて公表されている、「友好関係の回復、承認および関連事項に関するクウェートおよびイラク共和国の間の合意議事録」において定められた国境の不可侵性および諸島の配分を尊重することを要請する。

3.事務総長に対し、イギリスの国連常駐代表から1991年3月28日付の書簡とともに送付された地図を含む適当な資料を利用して、イラクとクウェー卜間の国境を画定するために両国と取り決めを行うよう支援するとともに、1カ月以内に安保理に報告するよう要請する。

4.上記の国境の不可侵性を保証すること、およびそのために適当な場合には、国連憲章に従ってあらゆる必要な措置を取ることを決定する。

B[非武装地带の設置と国連監視団の派遣]

5.事務総長に対し、イラクおよびクウュートとの協議の後、安全保障理事会の承認を得るために、国連監視団の迅速な派遣計画を3日以内に提出するよう要請する。同監視団は、コール・アブドラーおよび1963年10月4日の「友好関係の回復、承認および関連事項に関するクウュートとイラク共和国の間の合意議事録」において言及されている、国境からイラク側へ10キロ、クウェート側へ5キロの幅を有し、本決議で設置されるべき非武装地带を監視する。同監視団はまた、同地带における監視団自らの存在および同地带の監視を通じて国境の侵犯を抑止し、一方の国家の領域から他方の国家の領域に対すして行われるあらゆる敵対行動を監視する。さらに事務総長に対し、定期的に、また、同地带の深刻な侵害、または平和に対すする潜在的な脅威が存在する場合は直ちに、同監視団の活動について同理事会に報告するよう要請する。

(中略)

C「大量破壊兵器の廃棄」

6.〜7.(略)

8.イラクが、以下に掲げる品目を国際的な監視の下で、廃棄、撤去または無害化することを無条件で受け入れるべきことを決定する。

(1)すべての化学兵器および生物兵器、すべての化学剤および生物剤の在庫、すべてのサブシステムおよびその構成部分、ならびに関連するすべての研究、開発、支援および製進のための施設

(2)射程距離150キロを超えるすべての弾道ミサイル、関連する主要部品ならびに関連する修理および生産のための施設

9.第8項の履行のため、以下の諸点を決定する。

(a)イラクは、本決議の採択から15日以内に、第8項に特定されたすべての品目の所在地、数量および種類に関する申告書を事務総長に提出すること、および以下に定める緊急現地査察に同意すること。

(b)事務総長は、適当な政府、および適当な場合には世界保健機構の事務局長と協議して、本決議の採択から45日以内に安全保障理事会に承認を得るため、同承認から45日以内に以下の行動の完了を求める計画を作成し、同理事会に提出すること。

(中略)

10.イラクが、第8項および第9項に特定されたいずれの品目について、使用、開発、建設または不取得を無条件に約束すべきことを決定する。また、事務総長に対し、特別委員会と協議して、イラクによる同項の遵守を将来にわたって継続的に監視し、検証する計画を作成し、本決議の採択から120日以内に承認を得るために安全保障理事会に提出するよう要請する。

11.イラクに対し、1968年7月1日の核兵器不拡散に関する条約の定める義務を無条件に再確認することを要請する。

12.(略)

13.事務総長を通じて国際原子力機関の事務局長に対し、第9項(b)の事務総長の計画において定められる特別委員会の支援および協力を得て、イラクによる申告および特別委員会による追加的な所在地の指定に基づいて、イラクの核兵器能力に関する現地査察を直ちに行うよう要請する。

(中略)

D(中略)

E「イラクによる損害」

16.イラクが、1990年8月2日以前に発生し、通常の方法で対す処される債務および義務に影響を与えることなく、違法なクウェート侵攻および占領の結果として外国の政府、国民および法人に対すして与えた直接の損失、損害(環境上の損害および天然資源の枯渴を含む)または危害についても、国際法上の责任を負うことを再確認する。

17.イラクにより、1990年8月2日以後に行われた対す外債務の支私いを拒否するすべての声明は無効であることを決定し、イラクが対外債務の利子の支払いおよび元本の返済に係るすべての義務を厳格に遵守することを要求する。

18.〜19.(略)

F〜G(略)

H[国際テロリズムの放棄]

32.イラクに対し、いかなる国際的なテロリズムの遂行もしくは支援も行わないこと、また、テロリズムの遂行を目的とするいかなる組織に対しても自国の領域内における活動を許さないことを安全保障理事会に通報すること、さらに、すべてのテロリズムの行為、方法および慣行を無条件に放棄することを要求する。

33.〜34.(略)