データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 新時代における真のパートナーシップへ向けて:ブダペスト首脳会議・OSCE移行宣言(CSCEブダペスト首脳会議宣言(OSCE))

[場所] 
[年月日] 1994年12月6日
[出典] 現代国際関係の基本文書(上),一般財団法人鹿島平和研究所編,日本評論社,758-760頁
[備考] 
[全文] 

 1.欧州安全保障・協力会議(CSCE)に参加する、われわれ各国首脳は、ブダペストで会談して、最近の情勢を評価するとともに現状を検討し将来を展望した。われわれは、第二次世界大戦の終結50周年およびヘルシンキ最終文書の調印20周年を控え、またベルリンの壁の崩壊5周年を祝う中で、以上の評価、検討、展望を行ったのである。

 2.われわれは、その全域が自由な存在としてのCSCE共同体を、安全で安定したものに構築していく上で、CSCEが中心的な役割を果たしていることに信頼を置いている。われわれは、ヘルシンキ最終文書の原則と、その後に採択されたCSCE文書の諸原則を再確認する。これら文書は、われわれが参加するすべての機関と組織において、各国ごとの政策および各国共通の政策の指針となる共通の価値を反映したものである。

 3.CSCEは、バンクーバーからウラジオストクに至るまでの安全保障機構である。われわれは、CSCEに新たな政治的推進力を与え、このことによってCSCEが21世紀の諸課題に対応する枢要な役割を演じられるようにする決意である。この決意を反映して、CSCEは今後、「欧州安全保障協力機構=OSCE」と呼ばれることになる。

 4.CSCEは、われわれの全域における難問を克服し、変化に対処する上で機能してきた。われわれが前回会談して以来、勇気づけられるさらなる進展があった。冷戦の痕跡はほとんど消滅した。自由な選挙が実施され、民主主義が拡大し深く根付いた。しかし、揺るぎない民主主義と効率的な市場経済および社会正義への道のりは困難なものがある。

 5.自由が拡大するのと同時に、新たな紛争が起こり、かつての紛争も再燃した。CSCE域内では、ヘゲモニーの確立と領土拡張を目指す武力衝突が引き続き発生している。人権と基本的自由が尊重されない状況が続き、不寛容の精神がいまだに尾を引き、少数民族に対する差別がある。攻撃的なナショナリズム、人種差別、偏狭な愛国主義、外国に対する嫌悪感、反ユダヤ主義、民族間の緊張という不幸な事態が、依然として拡大している。こうした事態は、社会と経済の不安定と並んで、危機や人命の損失、人権をめぐる悲劇を引き起こす大きな要因になっている。

 これらの事態の背景には、CSCEの諸原則とコミットメントが適用されていないという事情がある。このような状態からみて、われわれは断固たる行動を起こす必要がある。不幸な事態をいやすべく、われわれは、CSCEの諸原則とコミットメントを完全に順守し、さらには効果的に連帯し協力するため力を合わせなければならない。

 6.〜17.(略)

 18.われわれは、日本との関係が進展していることに満足の意をもって留意する。

(中略)

 19.〜22.(略)