データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 中華人民共和国とロシア連邦との間の善隣友好条約(中露善隣友好協力条約,中ロ善隣友好協力条約)

[場所] 
[年月日] 2001年7月16日
[出典] 現代国際政治の基本文書,一般財団法人鹿島平和研究所編,原書房,523-527頁
[備考] 署名:2001年7月16日
[全文] 

   〔前文〕(略)

第1条 両締約国は、普遍的に承認された国際法の原則と規範に従って、かつ、および国家主権,領土保全の相互尊重、相互不可侵、相互内政不干渉、平等・互恵、平和的共存の五原則に基づき、両国間の善隣・友好・協力・平和・信頼の戦略的かつ協力的なパートナーシップを、長期的視点に立ち、かつ包括的に発展させる。

第2条 両締約国は相互関係の処理において、相手方に圧力をかけるために武力の行使、威嚇を行ったり、経済的その他の手段に訴えたりしてはならず、互いの意見の相違を、国際連合憲章の規定と普遍的に承認された国際法の原則と規範に従い平和的手段のみによって解決する。

 両締約国は、互いに核兵器を先に使用せず、互いを核ミサイルの対象としないとの約束を再確認する。

第3条 両締約国は、両国間の長期的、安定的な関係の発展を図るべく、

相手方がそれぞれの実情に合った政治的、経済的、社会的および文化的発展のために選ぶ選択を尊重する。

第4条 中国側は、ロシア側による国民的一体性と領土保全のための政策を支持する。

 ロシア側は、中国側による国民的一体性と領土保全のための政策を支持する。

第5条 ロシア側は、1992から2000年迄に両国の国家元首によって署名、 採択された政治的文書に明らかにされた台湾問題に関する原則的立場が不変であることを再確認する。ロシア側は、世界に中国は一つしかなく、中華人民共和国が全中国を代表する唯一の合法政府であり、台湾は中国の譲ることのできない一部であることを認識する。ロシア側は台湾のいかなる形の独立に反対する。

第6条 両締約国はお互いの間に領上的主張を有せず、両国間の国境を永続する平和と友好の支配する国境にすべく積極的に努力を払う決意であることを満足をもって指摘する。締約国は国際法に規定された領土と国境の不可侵原則を固守し、両国間の国境を遵守する。

 両締約国は両国が交渉を通じて未だ合意に達していない地域の国境についての交渉を継続しなければならない。これらの問題が解決するまでは、双方は同国境地域の現状を維持する。

第7条(略)

第8条 両締約国は他の締約の主権、安全保障および領土保全を損なう

ような第三国との条約締結を含む、いかなる同盟やプロックに加入してはならず、また、このような行動もしてはならない。いずれの締約国も自らの領土を、他の締約国の主権、安全保障および領土保全を危険にするような第三国による利用を許してはならない。

 いずれの締約国も自らの領土内に、他の締約国の主権、安全保障および領土保全を損なうような組織や集団の設立を許してはならないし、そのような活動は禁止されなければならない。

第9条 いずれかの締約国が、自らの平和が脅かされ、損なわれ、あるいは安全保除上の利害が問題となったと見なす事態が生じた場合、あるいは侵略の脅威に直面した場合には、両締約国はかかる脅威を取り除くために直ちに接触し、協議を行わなければならない。

第10条〜第11条(略)

第12条 両締約国は、グローバルな戦略的均衡および安定のために協力し、戦略的安定の防御および維持に関連する基本的合意の遵守を促進するため大いに努力しなければならない。

 両締約国は核軍縮プロセスおよび化学兵器削減を積極的に推進し、また、生物兵器禁止レジームの推進と強化に努め、大量破壊兵器の拡散およびその運搬手段と関連技術の拡散防止のための手段を講じなければならない。

第13条 両締約国は、国際連合および安全保障理事会ならびに国連専門機関における協力を強化しなければならない。両締約国は国際連合が最も権威をもち、最も普逼的な主権国家から構成される世界組織として、国際問題、とくに平和と開発分野における中心的役割を強化し、また、国際平和と安全保障の維持分野における国連安全保障理事会の主要な責任を保障すべく協力しなければならない。

第14条 両締約国は、両国の周辺地域における安定の強化、および相互理解、信頼と協力の雰囲気の醸成のための精力的努力を行い、また、上記地域の実情に即した安全保障と協力のための多角的メカニズム設立のため努力しなければならない。

第15条〜第17条(略)

第18条 両締約国は、それぞれが約束した国際的義務およびそれぞれの国内法に従って人権及び基本的人権を推進すべく協力しなければならない。

   (略)

第19条(略)

第20条 両締約国は、それぞれの法律およびそれぞれが約束した国際的義務に従い、テロリスト、分離主義者、過激主義者の取締り、および組織犯罪による犯罪活動、麻薬、向精神剤、武器に不法取引に対する強力な措置を講ずる上で積極的に協力しなければならない。両締約国は、また、人員売買を含む不法移民に対する断固とした取締りに協力しなければならない。

第21条〜第24条(略)

第25条 本条約の期限は20年とする。いずれの締約国が本条約の期限が切れる1年前に他の締約国に廃棄の通告をしない場合には、本条約は自動的に5年ずつ更新される。