データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 9.11同時多発テロ6カ月後のブッシュ大統領演説(反テロ戦争演説)(ジョージW.ブッシュ大統領)

[場所] 
[年月日] 2002年3月11日
[出典] 現代国際政治の基本文書,一般財団法人鹿島平和研究所編,原書房,502-504頁
[備考] 
[全文] 

   (前略)

 本日われわれは6カ月を経てここに集まっている。長い戦いの中で、6カ月は短い期間である。われわれのテロとの戦いの評価は、その始まりではなく結末によって決まる。前途にはさらなる危険と犠牲が待ち受けている。しかし米国は準備ができている。われわれの決意は強まるばかりである。それは、われわれがあの朝の惨事と勇気ある行動を忘れることはないからだ。見学旅行に出かけた子どもたちの死、悲運の飛行機に乗り合わせた乗客の抵抗、見知らぬ人たちを助けようとして共に亡くなった救助員の勇気を、われわれは忘れない。そして、われわれの悲劇を見て笑ったテロリストたちのビデオ映像を忘れることはない。

 どの文明国家もこの闘争において果たす役割がある。それはどの文明国家もこの闘争の結末に影響されるからだ。お互いの相違や不満が罪のない者を殺害する口実となるような世界には、平和はあり得ない。テロとの職いにおいて、われわれは恒久平和をもたらすような状況を目指して戦う。無秩序な暴力に対抗して合法的な変革を目指し、弾圧と残虐行為をなくし人間的な選択を目指し、そして1人1人の生命の尊厳と美徳を目指して戦う。

 米国にとって、テロとの戦いは単なる政策ではなく誓約であることを、どの国家も知るべきである。私は、わが国と文明社会の自由と安全保障を目指すこの闘争において、力を緩めることはない。

 そしてわれわれは成功する。米国とその友好国や同盟国に対する組織的な脅威が打破される日が来る。そして、テロリストが打ち負かされ、分断され、信用を失ったとき、古くからの対立の多くを新たな視点で、すなわちテロリストが暴力によってもたらす恒常的な恐怖と悲痛の繰り返しから解放された視点で見ることができる。その時、古くからの深刻な紛争を、理性と善意と相互の安全保障の枠内で解決できることがわかる。私には、テロとの戦いの先に平和な世界が見える。われわれは勇気と団結心をもって、共にその世界を築いている。

 テロとの戦いを明白に確約する国家はすべてこの活動に参加することができる。善意を持つ国家はすべて歓迎される。そしてわれわれはこの危機に立ち向かい、この機会を逃さずとらえる。

 われわれの連合に神のご加護がありますように。