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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 安保理決議1540(大量破壊兵器の不拡散,国連安全保障理事会決議1540号)

[場所] 
[年月日] 2004年4月28日
[出典] 現代国際関係の基本文書(下),一般財団法人鹿島平和研究所編,日本評論社,290-295頁
[備考] 
[全文] 

国連安全保障理事会決議1540号

採択:2004年4月28日

 安全保障理事会は、

 核兵器、化学兵器及び生物兵器並びにそれらの運搬手段の拡散が国際の平和及び安全に対する脅威を構成することを確認し、

 この関連で、すべての加盟国が軍備管理及び軍縮に関連する義務を履行すること、また、すべての大量破壊兵器のあらゆる側面における拡散を防止することの必要性を含む1992年1月31日の国家及び政府の首脳レベルの安全保障理事会会合において採択された議長声明(S/23500)を再確認し、

 (中略)

 テロリズムの脅威、並びに、安全保障理事会決議1267に基づいて設立された委員会により定められ維持されている国連の一覧表において明らかにされている者及び決議1373が適用される者といった非国家主体が、核兵器、化学兵器及び生物兵器並びにそれらの運搬手段を取得、開発、取引又は使用することの危険性を重大に懸念し、

 (中略)

 国際連合憲章第7章の下に行動して、

 1. すべての国は、核兵器、化学兵器又は生物兵器及びそれらの運搬手段の開発、取得、製造、所持、輸送、移転又は使用を企てる非国家主体に対し、いかなる形態の支援も提供することを差し控えることを決定する。

 2. また、すべての国は、国内手続に従って、いかなる非国家主体も、特にテロ目的のために、核兵器、化学兵器又は生物兵器及びそれらの運搬手段を製造、取得、所持、開発、輸送、移転又は使用し、並びにこれらの活動に従事することを企て、共犯としてこれらの活動に参加し、これらの活動を援助し又は資金を供することを禁ずる適切で効果的な法律を採択し執行することを決定する。

 3. また、すべての国は、関連物資に対する適切な管理の確立を含め、核兵器、化学兵器又は生物兵器及びそれらの運搬手段の拡散を防止する国内管理を確立するための効果的な措置を採用し執行すること、およびこの目的のため、以下を行うことを決定する。

 (a)生産、使用、貯蔵又は輸送において、そのような品目の使途を明らかにし、安全を確保するための適切かつ効果的な措置を策定し維持すること。

 (b)適切で効果的な防護措置を策定し維持すること。

 (c)自らの国内法的権限及び法律に従って、並びに、国際法に合致して、必要なときは国際的な協力を通ずることを含め、そのような品目の不正取引及び不正仲介を探知し、抑制し、防止し及び対処するための適切で効果的な国境管理及び法執行の努力を策定し維持すること。

 (d)輸出、通過、積み換え及び再輸出を管理する適切な法令、資金供与及び拡散に貢献する輸送といったそのような輸出及び積み換えに関連する資金及び役務の提供に対する管理並びに最終使用者管理の確立を含め、そのような品目に対する適切で効果的な国内的輸出及び積み換え管理を確立し、発展させ、再検討し及び維持すること、また、そのような輸出管理に関する法令の違反に対する適切な刑事上又は民事上の罰則を確立し及び執行すること。

4. 安全保障理事会の仮手続規則の規則28に従って、2年を超えない期間の間、すべての同理事会理事国により構成される同理事会の委員会を設置し、この委員会が、適当な場合には他の専門的意見も求めつつ、この決議の実施状況について、安全保障理事会の検討のために同理事会に対して報告することを決定するとともに、この目的のため、国に対し、この決議の採択から6カ月以内に、この決議の実施のためにとった又はとろうとする措置に関する最初の報告を委員会に提出するよう要請する。

5. この決議に規定するいかなる義務も、核兵器不拡散条約(NPT)、化学兵器禁止条約(CWC)及び生物毒素兵器禁止条約(BWC)の締約国の権利及び義務と抵触する若しくはこれらを変更するものとして解してはならず、又は、国際原子力機関(IAEA)又は化学兵器禁止機関(OPCW)の責任を変更するものとして解してはならないことを決定する。

6. この決議を実施するにあたり、効果的な国内管理リストの有用性を認識し、すべての加盟国に対して、必要なときは、できる限り早い機会にこのリストの策定を行うよう要請する。

7. 一部の国はこの決議の規定をその領域内において実施するにあたり支援を必要とすることを認識し、国に対し、可能なときは、個々の要請に応じて、上記の規定を履行するための法令上の基盤、実施の経験または資源を欠く国に対して適当な援助を提供するよう招請する。

8. すべての国に対して以下を要請する。

(a)核兵器、生物兵器又は化学兵器の拡散を防止することを目的とし、自らが締約国となっている多数国間条約の普遍的な採択、完全な実施及び必要な場合にはその強化を促進すること。

(b)不拡散に関する主要な多数国間条約の下での約束の遵守を確保するための国内法令を採択していない場合には、これを行うこと。

(c)不拡散の分野における共通の目的を追求し達成するため及び平和的目的のための国際協力を促進するための重要な手段として、特に国際原子力機関、化学兵器禁止機関及び生物・毒素兵器禁止条約の枠内において、多数国間の協力への約束を新たにし、これを履行すること。

(d)そのような法律の下での義務について産業界や公衆に通報し、協働して作業する適当な方法を策定すること。

9. すべての国に対し、核兵器、化学兵器又は生物兵器及びそれらの運搬手段の拡散によって生ずる脅威に対応するよう不拡散に関する対話及び協力を促進するよう要請する。

10. さらに、その脅威に対処するため、すべての国に対し、自らの国内法的権限及び法律に従って、並びに、国際法に合致して、核兵器、化学兵器又は生物兵器、それらの運搬手段及び関連物資の不正取引を防止するための協力行動をとるよう要請する。

11. この決議の実施を緊密に監視し、適当な段階でこの目的のために必要とされる更なる決定を行う意図を表明する。

12. この問題に引き続き関与することを決定する。