データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 反国家分裂法

[場所] 
[年月日] 2005年3月14日
[出典] 現代国際政治の基本文書,一般財団法人鹿島平和研究所編,原書房,528-531頁
[備考] 採択:2005年3月14日
[全文] 

第1条 本法律は、「台湾独立」を目指す分裂勢力による国家分裂に反対し、阻止するとともに、祖国の平和的統一を促進し、台湾海峡地域の平和と安定を維持し、国家主権と領士保全を守り、および中華民族の根本的利益を保護するため、憲法に基づいて制定する。

第2条 中国は世界に一つしかなく、大陸と台湾は一つの中国に属する。中国の主権および領土の分割は許されず、国家の主権および領土保全を守ることは、台湾同胞を含む中国全人民の共通の義務である。

 台湾は中国の一部であり、国家は「台湾独立」を目指す勢力が、いかなる名目、方式によるものであれ、台湾を中国から切り離すことを決して許さない。

第3条 台湾問題は1940年代末の中国の内戦から残された問題である。

 台湾問題を解決し、祖国統一を実現することは中国の国内問題であり、いかなる外国勢力の干渉も許さない。

第4条 祖国統一の大業の実現は、台湾同胞を含む中国全人民の神聖な資務である。

第5条 一つの中国の原則を堅持することは、祖国の平和的統一実現の基礎である。祖国統一の平和的手段による実現は、台湾海峡両岸同胞の根本的利益に最もよく適うものである。国家は平和的統一を実現するため最大限の誠意と努力を尽くす。

 国家の平和的統一の後、台湾は大陸と異なる制度を有し、高度の自治を享受する。

第6条 国家は以下の諸措置によって、台湾海峡地域の平和と安定を守

り、両岸関係の発展を図る。

 1. 両岸の理解を増進し相互信頼を強化するため、人的往来を奨励し推進する。

 2. 両岸の相互利益のため、経済交流と協力の奨励と推進、直接の通商、通信·航空·海運サービスの樹立、および両岸の経済関係の密接化を実現する

 3. 両岸の教育、科学技術、文化、衛生、スポーツ面の交流を奨励し推進するとともに、中国文化の名誉ある伝統を共に振興する。

 4. 両岸における犯罪の共同取締りを奨励し推進する。

 5. 台湾海峡地域の平和と安定の維持、およびより強力な両岸関係の発展をもたらすその他の活動を奨励し推進する。

 国家は法律に従い、台湾同胞の権利及び利益を保護する。

第7条 国家は台湾海峡両岸の平等な立場に立った話し合いと交渉によって平和的統一を実現する。この話し合いと交渉は、適切な段取りに従い、いくつかの段階に分けて行うが、柔軟かつ多様な方式も取り入れる。

 台湾海峡両岸は以下の事項について話し合いと交渉を行うことができる。

 1. 両岸の敵対状態の公式な終結

 2. 両岸関係の発展のための計画

 3. 平和的統一の段取りと取り決め

 4. 台湾当局の政治的地位

 5. 台湾地区の適切な国際的活動範囲

 6. 平和的統一に関するその他の間題

第8条 「台湾独立」を目指す分裂勢力がいかなる名目、いかなる方式であれ台湾を中国から分離する事態を招いたり、かかる分離をもたらしかねない重大な事件が発生したり、または平和的統一の可能性が完全に失われたりしたときは、国家は国家の主権および領土保全を守るため、非平和的手段その他必要な措置を取らなければならない。

 前項の規定による非平和的手段その他必要な措置については、国務院、中央軍事委員会が決定し実施に移すとともに、遅滞なく全国人民代表大会常務委員会に報告しなければならない。

第9条 この法律の規定に従い、非平和的手段その他必要な措置を決定し実施に移す際、国家は、台湾の民間人および台湾にいる外国人の生命·財産その他正当な権利を保護し損失を軽減するため最大限の努力を払わなければない。同時に国家は、中国の他の地区における台湾同胞の権益と利益を、法律に従って保護しなければならない。

第10条 本法律は公布の日から施行する。