データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] アフリカに関する大英帝国、オーストリア=ハンガリー、ベルギー、デンマーク、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、ポルトガル、ロシア、スペイン、スウェーデン及びノルウェー、トルコ、米国の全権によるベルリン会議の一般議定書(ベルリン会議一般議定書)

[場所] 
[年月日] 1885年2月26日
[出典] 現代国際関係の基本文書(上),一般財団法人鹿島平和研究所編,日本評論社,881-884頁
[備考] 署名:1885年2月26日
[全文] 

第1条〔通商の自由〕 すべての国の通商は、次の地域において、完全な自由を享有する。

1. コンゴ川およびその支流の流域を形成するすべての地域。コンゴ川流域は、それに接続する河川流域の分水界によって画定される。すなわち、北は、特にニアリ川、オゴウェ川、シャリ川およびナイル川、東は、タンガニーカ湖の支流の東部の分水界によって、南は、ザンベジ川とロジェ川の流域の分水界によって。したがって、コンゴ川流域は、コンゴ川、およびタンガニーカ湖とその東部の支流を含むコンゴ川の支流が流れるすべての地域を含む。

2.〜3. (略)

第2条〜第5条 (略)

第6条〔原住民の保護〕 前記の地域において主権または影響力を行使するすべての国は、原住民の生存ならびに彼らの精神的および物質的な生活条件の改善に留意し、奴隷制度、とりわけ黒人売買の廃止のために協力することを約束する。これらの国は、宗教、科学、または慈善の目的で設立組織され、または原住民を教化して文明の利益を理解させ、その恩恵に服させることを目指すすべての団体と事業を、国籍と宗教の区別なく保護し助成する。

 キリスト教の宣教師、学者、探検家、彼らの随員、財産、および収集品は、等しく特別の保護の対象とする。

 原住民に対して、自国民および外国人と同様に、良心の自由と宗教的寛容が明確に保障される。すべての宗派の自由なかつ公の活動、ならびに、宗教上の建造物を建立する権利およびあらゆる宗派に属する宣教団を組織する権利は、いかなる制限も拘束も受けない。

第7条〜第8条 (略)

第9条〔奴隷売買等の禁止〕 署名国が認めた国際法の原則に従って、奴隷売買は禁止され、また、陸上および海上において売買のために奴隷を供給する業務も同様に禁止されるとみなさなければならないので、この議定書が規定するコンゴ川流域を形成する地域において主権もしくは影響力を行使し、または行使するであろう国は、これらの地域がいかなる人種の奴隷売買のための市場にも通過経路にもなってはな

らないことを宜言する。これらの国は、それぞれ奴隷取引を終了させ、かつ、これに従事する者を処罰するために、行使することのできるすべての措置をとることを約束する。

第10条〔中立の尊重〕 第1条に定める自由通商の制度の下におかれた地域において、通商と産業の安全に新たな保障を与え、かつ、平和の維持により文明の発展を促進するため、この議定書の署名国および後にこれに加入する国は、当該地域において主権または保護権を行使し、または行使するであろう国が、中立宣置を行うことによって中立の義務を果たす限り、領水を含む当該地域に属する地域またはその一部の中立を尊重することを約束する。

第11条〔交戦時の中立〕 第1条に定める自由通商の制度の下におかれた地域において主権または保護権を行使するいずれかの国が戦争状態に入った場合には、当該国と一以上の他力交戦国との合意によって、当該国に属し、かつ、この議定書に規定する自由通商地域に含まれる地域が、戦争期間中は中立制度の下におかれ、かつ、いずれかの非交戦国に属するものとみなされるために、この議定書の署名国および後にこれに加入する国は周旋を提供することを約束する。交戦国は、その後、中立化された地域に戦闘を拡大し、または当該地域を戦争の作戦基地として利用することを慎まなければならない。

第12条〜第33条 (略)

第34条〔領城取得·保護関係設定の通告〕 アフリカ大陸沿岸部において現在領有している地域以外にいずれかの地域を今後取得しようとする国、または現在までは地域を取得していないが新たに取得しようとする国、および、同地に保護関係を持とうとする国は、この議定書の他の署名国が必要な場合には自国の権利を主張できるようにしておくため、それぞれの行為にあたって他の署名国に通告する。

第35条〔既得権等の保障〕 この議定書の署名国は、アフリカ大陸沿岸部で先占した地域において、既得権および場合によっては規定される条件の下で通商と通過の自由を尊重させるために、十分な権限を有する機関の存在を保障する義務を承認する。

第36条〜第38条 (略)