データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] マクマホン駐エジプト英高等弁務官とフサイン・メッカ太守の往復書簡(1915年10月24日付のマクマホン書簡)

[場所] 
[年月日] 1915年10月24日
[出典] 現代国際政治の基本文書,一般財団法人鹿島平和研究所編,原書房,815-816頁.
[備考] 
[全文] 

(前略)

 メルシナとアレクサンドレッタの二つの地区、およびシリアのうちダマスカス、ホムス、ハマの各地区の西に広がる部分は、純粋なアラブ人の地区と言えず、従って要求される区域からは除かれるべきである。

 上記修正を踏まえ、また我々がこれまでアラブ人首長と結んだ諸条約を損なわない形で、我々はこれまでの提案を受け入れる。

 提案されている境界線の間に広がる地域については、イギリスがその同盟国フランスの権益を損なうことなく自由に行動できる地域であり、本官は貴太守に対しイギリス政府に代わって以下を確約し、貴太守の書簡に対し以下の通り回答する権限を有する。

 1.上記の修正のもとに、イギリスはメッカ太守が提案した境界線の内側におけるすベての地域において、アラブ人の独立を承認し支持する用意がある。

 2.イギリスはすべての諸聖地をいかなる侵略からも守り、その不可侵性を承認するだろう。

 3.状況が許せば、イギリスはアラブ人に対し、それぞれの領域で最もふさわしい形の政府を樹立する上で必要な助言と援助を与えるだろう。

 4.一方、アラブ人はイギリスからのみ助言と指導を求めること、及び、健全な行政府の樹立に必要とされるヨーロッパ人の助言者や文官はイギリス人とすることを了解する。

 5.バグダッドおよびバスラ両州に関し、イギリスの確立した立場と利害に鑑み、これらの領土を外国の侵略から守り、地元住民の福祉を増進し、また、我々の相互の経済的利害を保全するために、特別の行政的取り決めが必要となっていることをアラブ人は承認する。

 本官としては、本宣言があなた方にアラブの友人の熱望に対するイギリスの同情が確固とした永遠の同盟になるべきことを疑念の余地なく保障するものであり、その直接の帰結は、アラブ諸国からのトルコの追放と、長年にわたりアラブ人の上に重くのしかかっていたトルコのくびきからのアラブ人の解放であると確信するものである。

(後略)