データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 同盟國及聯合國ト獨逸國トノ平和條約(同盟国及び連合国とドイツとの平和条約,ヴェルサイユ講和条約,ベルサイユ講話条約)

[場所] 
[年月日] 1919年6月28日
[出典] 現代国際政治の基本文書,一般財団法人鹿島平和研究所編,原書房,386-401頁
[備考] 署名:1919年6月28日
[全文] 

前文(略)


第一編 國際聯盟規約(第一條〜第二十六條)(略)[本書下巻、文書193参照]

第二編 獨逸國の境界(第二十七條〜第三十條)(略)


第三編 歐洲政治條項


第一款 白耳義國


第三十一條〜第三十三條(略)

第三十四條 獨逸國ハ「オイペン」「マルメディー」兩郡ノ全部ニ亙ル地域に對スル一切ノ權利及權原ヲ白耳義國ノ爲ニ抛棄ス

 本條約實施後六月間白耳義國官憲ハ「オイペン」及「マルメディー」ニ於テ登錄簿ヲ公開スヘク前記地域ノ住民ハ同地域ノ全部又ハ一部カ引續キ獨逸國主權ノ下ニ立タムコトヲ希望スル旨右登記簿ニ記入スルノ權利ヲ有ス

 白耳義國政府ハ右民意公表ノ結果ヲ國際聯盟ニ通告スヘク白耳義國ハ聯盟ノ決定ヲ受諾スヘキコトヲ約ス

第三十五條〜第三十九條(略)


第二款 蘆森堡國(第四十條〜第四十一條)(略)


第三款 莱因河左岸


第四十二條 獨逸國ハ莱因河ノ左岸又ハ同河ノ東方五十吉米ニ引キタル線ノ西方ニ在ル同河右岸ニ於テ築城ヲ保有シ又ハ構設スルコトヲ得ス

第四十三條 前條規定ノ境域内ニ於テハ武裝シタル兵力ノ永久又ハ一時ノ駐屯及集合竝各種ノ軍事演習ヲ禁ス動員ノ爲ニスル一切ノ永久施設ノ保持ニ付亦同シ

第四十四條 獨逸國ニシテ其ノ方法ノ如何ヲ問ハス第四十二條及第四十三條ノ規定ニ違反シタルトキハ本條約ノ署名國ニ對シ敵對行爲ヲ爲シ且世界ノ平和ヲ攪亂スルモノト看做サルへシ


第四款 ザール河流域


第四十五條 獨逸國ハ佛蘭西國北部ノ炭鑛破壌ニ對スル補償トシテ又戰爭ニ基ク損害ニ付獨逸國ノ負擔スル全賠償額ノ一部支拂トシテ第四十八條ニ規定スル「ザール」河流域ニ在ル炭鑛ニ對スル完全且絶對ナル所有權及之カ採掘ノ獨占權ヲ何等ノ金銭債務及負擔ヲモ伴フコトナク佛蘭西國ニ譲渡ス

第四十六條〜第四十八條(略)


第四十九條 獨逸國ハ受託者トシテノ國際聯盟ノ爲ニ前記地域上ノ施政權ヲ抛棄ス

 本條約實施後十五年ノ終ニ於テ前記地域ノ住民ヲシテ何レノ主權ニ服スルコトヲ希望スルヤヲ表示セシムヘシ

第五十條(略)


第五款 アルザス、ロレーヌ

 締約國ハ佛蘭西國ノ權利ニ對シ竝「ボルドー」會議ニ於ケル「アルザス」及「ロレーヌ」代表者ノ嚴重ナル抗議ニ拘ラス祖國ヨリ分離セラレタル右兩州人民ノ希望ニ對シ千八百七十一年獨逸國ノ加ヘタル非行ヲ是正スヘキ徳義上ノ義務アルコトヲ認メ左ノ諸條ヲ約定ス

第五十一條 千八百七十一年二月二十六日「ヴェルサイユ」ニ於テ署名セラレタル講和豫備條約及千八百七十一年五月十日ノ「フランクフルト」條約ニ依リ獨逸國ニ譲渡セラレタル地域ハ千九百十八年十一月十一日ノ休戰條約締結ノ日以後佛蘭西國主權ノ下ニ復歸ス

 千八百七十一年以前ニ於ケル國境劃定ニ關スル諸條約ノ規定ハ其ノ效力ヲ囘復スヘキモノトスヘキモノトス

第五十二條〜第七十九條(略)


第六款 澳地利國


第八十條 獨逸國ハ澳地利國ト主タル同盟及聯合國トノ條約ニ依リ決定セラルヘキ國境内ニ於ケル澳地利國ノ獨立ヲ承認シ且嚴ニ之ヲ尊重スヘシ獨逸國ハ國際聯盟理事會ノ同意アル場合ヲ除クノ外該獨立ノ動カスヘカラサルモノナルコトヲ承諾ス


第七款 チェッコ、スロヴァキア國


第八十一條 獨逸國ハ同盟及聯合國ノ旣ニ執リタル措置ニ從ヒ「カルパート」山脈南方「ルテーヌ」人ノ自治地域ヲ含ム「チェッコ、スロヴァキア」國ノ完全ナル獨立ヲ承認シ且之ト共ニ獨逸國ハ主タル同盟及聯合國竝他ノ利害關係國ノ決定シタル「チェッコ、スロヴァキア」國ノ國境ヲ承認ス

第八十二條〜第八十六條(略)


第八款 波蘭國


第八十七條 獨逸國ハ主タル同盟及聯合國ノ旣ニ執リタル措置ニ從ヒ波蘭國ノ完全ナル獨立ヲ承認シ且波羅的海、「ロルツェンドルフ」ノ東方約二吉米ノ地點二至ル迄第二編(獨逸國ノ境界)第二十七條ニ定メタル獨逸國ノ東方國境、次ニ「ジムメナウ」ノ北西方三吉米ニ於テ上部「シレジア」ノ北方境界カ鋭角ヲ爲ス箇所ニ至ル線、次ニ獨逸及露西亞兩國間ノ舊國境トノ接合點ニ至ル迄右上部「シレジア」境界、次ニ「ニーメン」河ノ河流トノ交叉點ニ至ル迄右兩國間ノ舊國境竝前揭第二編第二十八條ニ定メタル東普魯西ノ北境ニ依リ圍繞セラルル地域ニ對スル一切ノ權利及權原ヲ波蘭國ノ爲ニ抛棄ス

第八十八條〜第九十三條(略)


第九款 東普魯西(第九十四條〜第九十八條)(略)


第十款 メーメル


第九十九條 獨逸國ハ波羅的海、第二編(獨逸國ノ境界)第二十八條ニ定メタル東普魯西ノ北東方國境及獨逸露西亞兩國間ノ舊國境ヲ以テ包括シタル地域ニ對スル一切ノ權利及權原ヲ主タル同盟及聯合國ノ爲ニ抛棄ス

   (中略)


第十一款 ダンチッヒ自由市


第百條 獨逸國ハ左記境界内ノ地域ニ對スル一切ノ權利及權原ヲ主タル同盟及聯合ノ爲ニ抛棄ス

第百一條(略) 第百二條 主タル同盟及聯合國ハ「ダンチッヒ」市ヲ第百條ニ揭クル爾餘ノ地域ト共ニ自由市ト爲スコトヲ約ス右自由市ハ國際聯盟ノ保護ノ下ニ置カルへシ

第百三條〜第百八條(略)


第十二款 シュレスウィヒ


第百九條 「獨逸丁抹兩國間ノ國境ハ住民ノ希望ニ從ヒ之ヲ決定ス」此ノ目的ノ爲東方ヨリ西方ニ向ヒ劃シタル左記ノ線(本條約附屬地圖第四號ノ褐色線)ノ北方ニ位スル舊獨逸帝國版圖内ノ住民ヲシテ本條第一號乃至第四號乃條件ノ下ニ行フヘキ投票ニ依リ其ノ希望ヲ表示セシムヘシ

第百十條〜第百十四條(略)


第十三款 ヘリゴランド(第百十五條)(略)


第十四款 露西亞及露西亞諸國


第百十六條 獨逸國ハ千九百十四年八月一日ニ於テ前露西亞帝國ノ一部タリシ一切ノ地域ノ獨立ヲ永久不變ノモノトシテ承認シ且之ヲ尊重スヘキコトヲ約ス

 獨逸國ハ第九編(財政條項)第二百五十九條及第十編(經濟條項)第二百九十二條ノ規定ニ從ヒ「ブレスト、リトウスク」條約竝其ノ露西亞過激派政府ト締結シタル一切ノ條約及取極ノ失效ヲ確認ス

 同盟及聯合國派露西亞國カ本條約ノ原則ニ基ク囘復及賠償ヲ獨逸國ヨリ取得スルノ權利ヲ明確ニ留保ス

第百十七條(略)

第四編 獨逸國外ニ於ケル獨逸國ノ權利及利益


第百十八條 獨逸國ハ本條約ニ定メタル其ノ歐羅巴ニ於ケル國境外ノ地域ニ於テ自國又ハ其ノ同盟國ノ領土内ニ又ハ該領土ニ關シテ有スル一切ノ權利、權原及特權竝發生事由ノ如何ヲ問ハス同盟及聯合國ニ對シテ有スル一切ノ權利、權原及特權ヲ抛棄ス

 獨逸國ハ前項ノ規定實行ノ爲主タル同盟聯合國カ必要ナル場合ニハ第三國ト協議シテ現在又ハ將來ニ於テ執ルコトアルヘキ措置ヲ承認シ且之ニ遵由スルコトヲ茲ニ約ス

 獨逸國ハ殊ニ特定事項ニ關スル左ノ各條ヲ受諾スルコトヲ聲明ス


第一款〜第七款(第百十九條〜第百五十五條)(略)

第八款 山東

第百五十六條 獨逸國ハ千八百九十八年三月六日獨逸國ト支那國トノ間ニ締結シタル條約及山東省ニ關スル他ノ一切ノ協定ニ依リ取得シタル權利、權原及特權ノ全部殊ニ膠州灣地域、鐵道、鑛山及海底電信線ニ關スルモノヲ日本國ノ爲ニ抛棄ス

 青島濟南府間ノ鐵道(其ノ支線ヲ含ミ竝各種ノ附屬財産、停車場、工場、固定物件及車輛、鑛山、鑛業用設備及材料ヲ包含ス)ニ關スル一切ノ獨逸ノ權利ハ之ニ附帶スル一切ノ權利及特權ト共ニ日本國之ヲ取得保持ス

 青島上海及青島芝罘間ノ獨逸國有海底電信線ハ之ニ附帶スル一切ノ權利、特權及財産ト共ニ無償且無條件ニテ日本國之ヲ取得ス

第百五十七條〜第百五十八條(略)


第五編 陸軍海軍及航空條項

 各國軍備ノ一般的制限ノ企圖ヲ實現セシムル爲獨逸國ハ左ニ揭クル陸軍海軍及航空條項ヲ嚴ニ遵守スルコトヲ約ス


第一款 陸軍條項

第百五十九條 獨逸國陸軍ハ左ニ規定スル所ニ從日復員シ且縮少スヘシ

第百六十條 一、獨逸國陸軍ハ千九百二十年三月三十一日迄ニ之ヲ歩兵七師團及騎兵三師團以下ト爲スコトヲ要ス

 獨逸國ヲ組織スル諸邦ノ陸軍總兵員數ハ前記ノ期限以後將校及補充部隊要員ヲ合セ十萬人ヲ超エルコトヲ得ス獨逸國陸軍ハ專ラ其ノ版圍内ノ秩序維持及國境ノ警備ニ從事スヘキモノトス

 將校ノ總員數ハ其ノ編成ノ如何ヲ問ハス司令部ノ要員ヲ合セ四千人ヲ超ユルコトヲ得ス

   (中略)  獨逸國參謀本部及之ニ類似スル一切ノ機關ハ之ヲ廢止スヘク且如何ナル形式ヲ以テスルモ再ヒ之ヲ設置スルコトヲ得ス

第百六十一條〜第百六十三條(略)

第百六十四條 獨逸國カ國際聯盟加入ヲ許容セラルルニ至ル迄同國陸軍ハ本款第二附屬表ノ定數ヲ超ユル數ノ兵器ヲ有スルコトヲ得ス但シ專ラ臨時必要ノ補充ニ供スル爲携帶兵器ニ在リテハ二十五分ノ一、火砲ニ在リテハ五十分ノ一ヲ超エサル範圍内ニ於テ任意其ノ數ヲ增加スルコトヲ得

 獨逸國ハ前記附屬表ノ兵器ノ定數カ其ノ國際聯盟ノ一國ト爲リタル後ト雖聯盟理事會ニ於テ之ヲ修正スル迄引續キ效力ヲ有スヘキコト及此ノ問題ニ關シ聯盟理事會ノ決定ヲ嚴守スヘキコトヲ約ス

第百六十五條〜第百六十七條(略) 第百六十八條 兵器、彈藥其ノ他ノ軍用材料ハ主タル同盟及び聯合國政府ニ通告シテ其ノ承認ヲ經タル地ノ工場又ハ製造所ニ限リ之ヲ製造スルコト得主タル同盟及聯合國政府ハ右工場又ハ製造所ノ數ヲ制限スルノ權利ヲ留保ス

 兵器、彈藥其ノ他一切ノ軍用材料ノ製造、準備、貯藏又ハ設計ヲ目的トスル前記以外ノ設備ハ本條約實施後三月以内ニ總テ之ヲ閉鎖スヘシ承認セラレタル彈藥ノ補給廠トシテ使用スルモノヲ除クノ外一切ノ軍用工場ニ付亦同シ右軍用工場ニ使用スル人員ハ同一期間内ニ之ヲ解傭スヘシ

第百六十九條(略) 第百七十條 獨逸國ニ對スル兵器、彈藥及一切ノ軍用材料ノ輸入ハ嚴ニ之ヲ禁止ス

 百七十規定ハ外國ノ爲ニスル兵器、彈藥及一切ノ軍用材料ノ製造及外國ニ對スル其ノ輸出ニ之ヲ適用ス

第百七十一條〜第百七十二條(略) 第百七十三條 獨逸國ニ於ケル一般義務兵役制度ハ之ヲ廢止スヘシ

 獨逸國陸軍ハ志願兵制度ノミニ依リ之ヲ組織シ且補充スルコトヲ得

第百七十四條〜第百七十七條(略)

第百七十八條 動員又ハ之ニ關スル一切ノ措置ハ之ヲ禁止ス

 如何ナル場合ト雖軍隊、官衙又ハ司令部ハ定員外ノ幹部ヲ有スルコトヲ得ス

第百七十九條(略)

第百八十條 萊因河ノ東方五十吉米ニ引カレタル線ノ西方ニ位スル獨逸國版圍内ニ在ル一切ノ築城工事、堡壘及陸地要塞ハ其ノ武裝ヲ解除シ且防備ヲ撤廢スヘシ

   (中略)

 本城第一項ノ地帶内ニ於テハ其ノ性質ノ如何及重要ノ程度ヲ論セス新築城ノ構設備ヲ禁止ス

   (中略)


第二款 海軍條項


第百八十一條 本條約實施後二月ノ期間滿了後ニ於テ獨逸國常備海軍力ハ左ノ定數ヲ超エサルコトヲ要ス

「ドイチュランド」又ハ「ロートリンゲン」型戰艦 六隻

輕巡洋艦 六隻

驅逐艦 十二隻

水雷艇 十二隻

 又ハ第百九十條ノ規定ニ依リ右艦艇ノ代艦トシテ建造セラルル同數ノ艦艇

 前項ノ海軍力中ニハ潜水艦ヲ包含セサルモノトス

第百八十二條(略)

第百八十三條 本條約實施後二月ノ期間滿了後ニ於テ獨逸國海軍所屬人員ハ艦隊乘員及沿岸防禦、望樓、官衙其ノ他ノ陸上勤務者ヲ合セ各兵種及各階級ノ准士官及下士卒ヲ通シテ一萬五千人ヲ超エサルコトヲ要ス

 准士官以上ノ總員數ハ千五百人ヲ超ユヘカラス

   (中略)

第百八十四條〜第百八十九條(略) 第百九十條 獨逸國ハ第百八十一條ニ規定スル常備艦艇ノ代艦ノ外如何ナル艦艇ヲモ建造又ハ取得スルコトヲ得ス

   (中略) 第百九十一條 獨逸國ニ於テハ如何ナル潜水艦船ヲモ建造又ハ取得スルコトヲ得ス其ノ商業上ノ目的ニ供セラルルモノト雖異ルコトナシ 第百九十二條〜第百九十三條(略) 第百九十四條 獨逸國海軍人員ハ准士官以上ハ繼續二十五年、下士卒ハ繼續十二年ヲ最短期間トスル志願契約ニ依リ總テ之ヲ採用スヘシ

第百九十五條〜第百九十七條(略)


第三款 航空條項 第百九十八條 獨逸國軍ニハ陸軍又ハ海軍ノ航空隊ヲ包含セサルコトヲ要ス

第百九十九條〜第二百二條(略)


第四款〜第五款(第二百三條〜二百十三條)(略)


第六編 俘虜及墳墓(第二百十四條〜第二百二十六條)(略)


第七編 制裁


第二百二十七條(略)[本書下巻、文書234参照] 第二百二十八條 獨逸國政府ハ戰爭ノ法規慣例ニ違反スル行爲アリトシテ訴追セラルル者ヲ軍事裁判所ニ出廷セシムル同盟及聯合國ノ權利ヲ承認ス上記ノ者有罪ト決シタルトキハ之ヲ法ノ定ムル刑罰ニ處スヘシ本規定ハ獨逸國又ハ其ノ同盟國ノ裁判所ニ於ケル訴訟手續又ハ公訴ノ爲其ノ適用ヲ妨ケラルルコトナシ

第二百二十九條〜第二百三十條(略)


第八編 賠償


第一款 一般規定

第二百三十一條 同盟及聯合國政府ハ獨逸國及其ノ同盟國ノ攻擊ニ因リテ強ヒラレタル戰爭ノ結果其ノ政府及國民ノ被リタル一切ノ損失及損害ニ付テハ責任ノ獨逸國及其ノ同盟國ニ在ルコトヲ斷定シ獨逸國ハ之ヲ承認ス

第二百三十二條 同盟及聯合政府ハ獨逸國ノ資源カ本條約ノ他ノ規定ノ結果永遠ニ減少スヘキコトヲ考量シ其ノ右損失及損害ノ全部ニ對シ完全ナル賠償ヲ爲スニ充分ナラサルコトヲ認ム

 然レトモ同盟及聯合國政府ハ其ノ各國ト獨逸國トノ交戰期間内其ノ陸上海上及空中ノ攻撃ニ因リ同盟及聯合國ノ普通人民及其ノ財産ニ對シ加へラレタル一切ノ損害概言スレハ本款第一附屬書ニ揭クル一切ノ損害ニ付補償ヲ要求シ獨逸國ハ之カ補償ヲ爲スヘキコトヲ約ス

   (中略) 第二百三十三條 獨逸國ノ補償スヘキ前記損害ノ總額ハ賠償委員會ト稱スル同盟國國際委員會之ヲ決定スヘシ該委員會ノ組織及權能ハ本款及本款第二乃至第七附屬書ノ定ムル所ニ依ル

第二百三十四條(略) 第二百三十五條 獨逸國ハ同盟及聯合國ヲシテ其ノ請求額ノ確定ニ先チ速ニ其ノ産業及經濟生活ノ囘復ニ著手スルコトヲ得シムル爲賠償委員會ノ定ムル割賦及方法ニ從ヒ(金、貨物、船舶、有価證券其ノ他ヲ以テ)千九百十九年及千九百二十年中竝千九百二十一年四月末日迄ニ二百億「麻」金貨ニ相當スル額ヲ支拂フヘシ

第二百三十六條〜第二百四十四條(略)


第二款 特別規定(第二百四十五條〜第二百四十七條)(略)


第九編 財政條項


第二百四十八條 賠償委員會ノ承認スへキ例外ノ場合ヲ除クノ外本條約又ハ其ノ附屬ノ條約若ハ取極竝休戰期間及其ノ延長期間中獨逸國ト同盟及聯合國トノ間ニ締結セラレタル協定ニ依リ生シタル賠償額其ノ他一切ノ費額ハ獨逸帝國及其ノ各邦ノ一切ノ資産及收入ノ上ニ第一順位ノ優先權ヲ有ス

 獨逸國政府ハ千九百二十一年五月一日ニ至ル迄ハ同盟及聯合國ヲ代表スル賠償委員會ノ承認ヲ豫メ受クルコトナクシテ金ヲ輸出シ又ハ處分スルコトナカルヘク又其ノ輸出又ハ處分ヲ許スコトナカルヘシ

第二百四十九條〜第二百六十三條(略)


第十編 經濟條項(第二百六十四條〜第三百十二條)(略)


第十一編 航空(第三百十三條〜第三百二十條)(略)


第十二編 港、水路及鐵道(第三百二十一條〜第三百八十六條)(略)


第十三編 勞働機關


第一款 勞働機關


 國際聯盟ハ世界平和ノ確立ヲ目的トシ而シテ世界平和ハ社會正義ヲ基礎トスル場合ニ於テノミ之ヲ確立シ得ヘキモノナルニ因リ

 多數ノ人民ニ對スル不正、困苦及窮乏ヲ伴フ現今ノ勞働狀態ハ大ナル不安ヲ醸生シ惹テ世界ノ平和協調ヲ危殆ナラシムヘキニ因リ彼ノ勞働時間ノ制定殊ニ一日又ハ一週ノ最長勞働時間ノ限定、勞働供給ノ調節、失業ノ防止、相應ノ生活ヲ支フルニ足ル賃銀ノ制定、勞務傷害及疾病ニ對スル勞働者ノ保護、兒童年少者及婦人ノ保護、老年及廢疾ニ對スル施設、自國外ニ於テ使用セラルル勞働者ノ利益ノ保護、結社自由ノ原則ノ承認、職業及技術教育ノ組織等ノ如キ手段ヲ以テ前記勞働狀態ヲ改善スルコトハ刻下ノ急務ナルニ因リ

 一國ニ於テ人道的勞働条件ヲ採用セサルトキハ他ノ諸國ノ之カ改善ヲ企圖スルモノニ對シテ障礙トナルヘキニ因リ

 茲ニ締約國ハ正義人道ヲ旨トシ世界恆久ノ平和ヲ確保スルノ冀望ヲ以テ左ノ諸條ヲ協定ス

第三百八十七條 前文記載ノ目的ヲ達セムカ爲茲ニ常設機關ヲ設置ス

 國際聯盟ノ原聯盟國ハ右常設機關ノ原締約國タルヘク今後國際聯盟ノ聯盟國ト爲ルモノハ同時ニ右常設機關ノ締盟國タルヘキモノトス

第三百八十八條〜第三百九十一條(略)

第三百九十二條 國際勞働事務局ハ聯盟機關ノ一部トシテ國際聯盟本部所在地ニ之ヲ設置ス

第三百九十三條〜第四百二十六條(略)


第二款 一般原則(第四百二十七條)(略)


第十四編 保障


第一款 西歐羅巴

第四百二十八條 獨逸國ノ本條約履行ニ對スル保障トシテ同盟及聯合國ノ軍隊ハ本條約實施後十五年間萊因河ノ西方ニ位スル獨逸國領土及萊因河橋頭地域ヲ占領ス

第四百二十九條(略)

第四百三十條 賠償委員會ニ於テ獨逸國カ本條約ニ依リ負擔スル賠償上ノ義務ヲ全部又ハ一部履行セスト認ムルトキハ前記占領中タルト十五年ノ期間滿了後タルトヲ問ハス第四百二十九條ニ定ムル地域ノ全部又ハ一部ハ同盟及聯合國ノ兵力ヲ以テ直ニ之ヲ再占領スヘシ

第四百三十一條〜第四百三十二條(略)


第二款 東歐羅巴(第四百三十三條)(略)


第十五編 雑則(第四百三十四條〜第四百四十條)(略)

[末文及署名](略)