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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] モロトフ・リッベントロップ協定:秘密追加議定書

[場所] モスクワ
[年月日] 1939年8月23日
[出典] 現代国際政治の基本文書,一般財団法人鹿島平和研究所編,原書房,414-415頁
[備考] 署名:1939年8月23日
[全文] 

 ドイツ国とソビエト社会主義共和国連邦との間の不可侵条約署名に際し、〔下記に〕署名した両国全権代表者は、高度に内密の話合いをもち、東ヨーロッパにおける双方の利益圏の境界設定問題を討論した。この話合いは次の結論に導いた。

1. バルト諸国(フィンランド、エストニア、ラトヴィア、リトアニア)に属する領域の領土的政治的改変の場合においては、リトアニアの北部国境が同時にドイツとソ連邦の利益圏の境界を形成する。ここにおいてヴィルナ地区に対するリトアニアの利益は、双方ともこれを認める。

2. ポーランド国に属する領域の領土的政治的改変の場合においては、ドイツとソ連邦の利益圏は、おおむね、ナレウ、ヴィスラ及びサンの各河川の線によって区切られるものとする。

 双方の利益にとって、独立したポーランド国の存続が望ましいと考えられるか否か、またかかる国家の国境がどのようにされうるかという問題は、最終的には、今後の政治的展開のなりゆきの中で初めて明らかにされることができる。  いずれにせよ両政府は、この問題を、友好的な意思疎通の方法により解決するものとする。

3. ヨーロッパの南東に関しては、ソ連側からベッサラビアに対する利益が強調される。ドイツ側からは、この地方に対する完全な政治的無関心が表明される。

4. この議定書は、双方によって高度の秘密として取扱われるものとする。

 モスクワ、一九三九年八月二三日

 ドイツ国政府のために

  フォン・リッベントロップ

 ソ連邦政府全権、

  V.モロトフ