データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] ドイツとソビエト社会主義共和国連邦との間の不可侵条約(モロトフ・リッベントロップ協定:独ソ不可侵条約)

[場所] モスクワ
[年月日] 1939年8月23日
[出典] 現代国際関係の基本文書(上),一般財団法人鹿島平和研究所編,日本評論社,412-414頁
[備考] 署名:1939年8月23日
[全文] 

 ドイツ國政府及び

 ソビエト社会主義共和国連邦政府は、

 ドイツとソ連邦との間の平和状態を強固なものにしようという願望に導かれ、かつ、一九二六年四月にドイツとソ連邦との間で締結された中立条約の基本的諸規定から出発し、以下の合意に達した。

第一条 両締約国は、相互間で、いかなる武力行為、いかなる侵略的行動、及びいかなる攻撃をも、かつまた、単独であろうと、他国と共同してであろうと、これを差控える義務を負う。

第二条 締約国の一方が第三国の軍事行動の対象となったような場合は、他方の締約国は、いかなる形態においても当該第三國を援助しないものとする。

第三条 両締約国の政府は、共通の利害にかかわる問題に関して相互に知らせるため、今後不断に協議する目的で接触を保つものとする。

第四条 両締約国のいずれの一方も、間接的に又は直接他方に向けられたいかなる国家集団にも参加しないものとする。

第五条 締約国間に何らかの争議又は紛争が生じたような場合は、両国は当該争議又は紛争を、専ら、友好的意見交換の方法により又はやむをえないときは調停委員会の設置により解決するものとする。

第六条 この条約は、一〇年の期間をもって締結され、締約国の一方が当該期間満了の一年前に廃棄通告を行わない限り、この条約の有効期間は自動的に更に五年間延長されたものとみなす。

第七条 この条約は、可能な限り短い期間内に批准されるものとする。批准書は、ベルリンにおいて交換されるものとする。この条約は、署名と同時に効力を生じるものとする。

 ドイツ語及びロシア語で正本各二通が作成された。

 モスクワ、一九三九年八月二三日

 ドイツ国政府のために、

  フォン・リッベントロップ

 ソ連邦政府の全権を有して、

  Ⅴ.モロトフ